人の数だけ仕事がある。ma-no仕事事典 vol.1 井口元

丹波で地元の方々とIターンUターンに愛されるカフェ・cafe ma-noで開催されるイベント「ma-no仕事事典」とふるさと定住促進会議の全6回のコラボ企画・レポート第一弾。

 

記念すべき第一回目は、丹波市の移住定住ワンストップ窓口を請け負う「みんなの家」代表の井口さん。

 

どんな幼少期・職業人生を経て、今の仕事に至るのかを、約1時間半のロングランでお話頂きました!

 

 

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まずは、cafe ma-noのオーナーバリスタ・北さんと共にこのma-no仕事事典の企画発案者でもある井口さんから、この企画に込めた意図と想いのご説明。移住定住促進窓口業務を請け負う井口さんも、大阪から移住してきた移住者の一人です。

 

 

昨今の移住ブームの流れもあって、移住してきた人にフォーカスされがち。でも、移住する為にはその受け皿を用意してきた人たちがいて、そこに中々光が当たりづらい現状がある。このma-no仕事事典とふるさと定住促進会議のコラボ企画は

普通なら光の当たりづらい、移住者を支える人たちに光を当てる企画。

 

 

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井口さんは、自身が仕事にまつわる自分の感性を考えたとき「昔からやってることばっかりやったな」と思う事が多かったそう。井口さんの10代から遡って、今につながる仕事の話がはじまります。  

 

 

 

玉石混合のコミュニティだから感じる、楽しさ。

 

 

まずは小学校~高校時代の井口さんの話を、ひとつひとつ思い出すように辿っていきます。

 

 

 

昔から友人関係が全く偏らなかった。クラスにいるヤンキーも、隅っこの方にいるやつも、勉強ばっかりしてるやつまで友達だった。

 

 

昔から「あまのじゃく」だったと語る井口さん。例えば幼稚園でドッチボールが流行った時、右手でみんな投げるから、左手で投げるようになったり。 

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グループに分かれたり、部活単位で集まっているだけでなく、普通なら交わらないヤンキーの友達と静かな友達をつなげたりしたりして、人と人をつないだり、関わりを生み出す楽しさを感じたそうです。

 

そんな井口さんは高校・そして関西の大学に進学する事になりますが、ある事を感じます。 

 

 

一定の水準を超えて、同レベルの人たちが集まることは、あんま面白くないなと思った

 

 

高校や大学のような、学業の成績などでふるいにかけられた環境より、中学校のような玉石混合のコミュニティで様々な価値観の方と交わるのが好きだと感じた井口さん。

 

 

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今現在、田舎で暮らすようになって村のコミュニティにも所属し、楽しいと感じるのは「都会で普通のサラリーマンをしていたら、そもそも関わる事もないだろうという人と関わりを持てること」でした。 

 

 

ようあんなやつと付き合ってんな、と言われる様な村の人とも仲良くなったりするんですよね。その人にはその人の良さがあって、いろんな側面があるんですよ。都会なら人が多すぎて、ちょっとでも悪いところが突出してたら、誰も付き合わんとこうとなるけど、田舎だと絶対顔を合わせないといけない。そういう環境が逆に面白かったりする。

 

 

同じ人柄じゃないから楽しい。都会と田舎を繋げる役割として仕事をする井口さんにとって、その双方の属してきたコミュニティが違って、考え方が違うのが当たり前。「違いがあるから楽しい」という前提と「普通なら交わらない人と人をつなぐ事に対する楽しみ」がマッチして、今の仕事があるんだなと感じます。

 

実際に、井口さんが丹波市の移住相談窓口業務を受託するようになってから、北近畿の山間部エリアで移住者の数をナンバーワンまで引き上げた実績があります。 

 

 

人の力になる道で、ナンバーワンを目指して。

 

 

 

前述のように、ご自身の事を「あまのじゃく」だと語る井口さん。いつもナンバーワンを目指していたいのに、なれそうにないなと思うとすぐに諦めるクセがあったそうです。 

 

 

中学校・バスケ部のキャプテンやりながら、バンドもやってた。バスケで一番になれないんだろうなと思って。別の逃げ道を探してたんでしょうね。いつも一番になりたくて(笑)理由はシンプルで、かっこいいじゃないですか。

 

 

大学時代は、画一的な人が集められているコミュニティが楽しくないと思った井口さん。自ずと外に目が向き、大学の仲間と3人で立ち上げたイベントサークルはほとんど口コミで約22校・150人程が集まる大きなコミュニティになりました。 

 

その時に、色々な人が集まるコミュニティを作ったことと、コーチングの先生を呼んだイベントを企画したことで、仕事の軸となる考え方が生まれました。 

 

 

路頭に迷ってたり、人生に迷ってるやつの力になりたい 

 

 

自分だけでは解決できない悩みも、人に話し、一緒に考え、客観的な意見をもらうことで整理されて解決する事があり、その手段があります。井口さんが大学生の当時、まだ聞きなれなかったコーチングという概念は間違いなく、ビジネスの世界で流行ってくるだろうと感じたそうです。

 

そして、一つの組織に所属するより自営業で色々な会社の社長のコーチをやっていくプロになる道を志し、就職活動をせずフリーで働こうと考えた井口さんでしたが、親や親戚からずいぶん止められたそうです。

 

結果として一度就職する事になる井口さんですが、今こうして様々な方と関わり合い移住者の悩み・地域の経営者さんの悩み・自治体のおじさんたちの悩みを、「人と人をつなぐことで解決していく」井口さんの働き方は、地域のナンバーワンであり、オンリーワンだなと感じさせられます。 

 

 

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井口さんが委託を受けている移住相談ワンストップ窓口には、「女性の移住希望者さんが、より相談しやすくなるように」と、女性ばかりのメンバーで移住の相談を受けておられます。

 

 

選択の基準は、いつも「悪ノリ」

 

 

大学を卒業して、一度会社に勤めることになった井口さんが就職を決断した理由は、先輩に「新卒で入社できるの人生で一回だけやぞ」と言われた事に対して「・・・ほんまや!確かにそうや!」と思っただけ。

 

 

就職するのは修行で社会勉強だと位置づけ、自分が一番興味のない業界だけに絞って就職活動をしたそうです。そして、一番最初に受かったIT企業に勤めることになります。「とにかく大変な会社だった」と話す井口さんの最初の会社は、約1年で新入社員のほとんどが辞めてしまう様なハードな会社だったそう。

 

 

元々修行をするつもりで入社した井口さんは、20代後半までその会社に残り、業界最大手の取引先を任される様なポジションについたりもしましたが、30代のターニングポイントで転職を考え出します。 

 

 

次の選択肢に自分が求めたものって、自分が思っていることと言ってること、やってることが完全に合致する環境にいたかったっていうそれだけだったんです。建前で話さなければいけないこととか。思ったことを率直に言えない環境とかもう嫌だなと思って。

 

 

そして、井口さんはとある事をきっかけに丹波への移住を決める事になります。 

 

 

友人が丹波の市議会議員選挙に出て。投票日の2週間前に出馬するっていう無茶な話だったんですが、当選したんですよ。その時に選挙戦を一緒に戦った人たちを見て、こんなに人のために動いて、期間中自分の仕事や家族まで一旦投げ捨てて、人の応援に一生懸命になれる人達が丹波市にはこんなにいるんだって思って。

 

それで選挙の活動が楽しすぎて、大阪に帰って転職活動するのか、というのを微妙に感じてしまったんですよね。

 

そんな矢先、選挙活動で出会った後援会長の前川さんに、うちで働かへんかと言われたんですよ。井口君が来てくれるなら家買うって言い出して(笑)これは、移住してから語るエピソードとしておもろいやん、と思ったんです。

 

 

 

井口さんは、株式会社みんなの家の前身、移住者のみで共同生活を行うシェアハウス「みんなの家」で管理人をされていました。 

 

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「みんなの家」は、田舎というコミュニティで若者が暮らしを楽しむこと自体をコンテンツに、様々なメディアにも取り上げられました。 

 

 

 

様々な経験を経て、今井口さんは丹波に住み、都市部と丹波をつなぐ事を仕事にしています。最後に、そんな井口さんが今後やっていきたいことを、質問してみました。 

 

 

自分が一番力が入る時って何かなって考えた時、目の前の人とか、身の回りの人くらいは幸せにしたいな。と思ったんです。

 

 

都市部の大きな企業の顔の見えない人との関係性とかより、顔の見える環境でつながっていたいし、一生懸命がんばったやつががんばった分正当な報酬や評価をもらえるようにしたり、自分が思うように作っていけるのが丹波じゃないかと思ってます。それをやっていきたい。

  

私の中の「仕事」は目の前の人の役にたつこと。地域がどうとかは範囲が広すぎるんですね、自分には。今、丹波というフィールドでそれができていると思っているから、自分の手の届く範囲を幸せにしていきたいですね。 

 

 

 

移住者を支える人たちに光を当てる・cafe ma-noとふるさと定住促進会議のコラボ企画。次回は11/11 タナカ建築板金工業・田中守さんです!