地域全体でつくる牛乳

2016年11月30日 更新
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平成26年に兵庫丹但酪農農業協同組合より工場や販路を継承し事業を開始した、丹波乳業 株式会社。

基本的に車で1時間圏内の丹波市・篠山市・朝来市・養父市の酪農家24軒分の生乳を仕入れて、牛乳やヨーグルトの製造・販売をしています。

主力商品である”ひかみ牛乳”は組合の頃から長い間、周辺地域の学校給食としても使われているので、地元で知らない方はいないと言っても過言ではありません。こだわりの低温殺菌牛乳は、周辺地域や京阪神のお菓子屋さんで使っているところも多く、この牛乳があったから事業を始めたというところもあるほどです。

 

丹波市の主要な駅である柏原駅の1つとなり、石生(いそう)駅より徒歩10分弱、車では氷上ICを降りて春日方面に5分ほど走った、事業所や畑が混在する地域に事務所と工場があります。

 

この丹波乳業で、工場内作業や配送に従事していただく方を募集します。

 

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「会社に切り替えてなかったら、今はもうひかみ牛乳とかなかったかもしれない、、たぶんなかったでしょうね。そういうところで、自分がやったことがすごいとかそういうことじゃ全然なくて、当たり前を守っていきたいなと思います。」

 

こう話すのは社長の吉田さん。

吉田さんもいわゆる孫ターンで丹波に来られ、第三者承継で酪農を始められた経緯があります。

 

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「酪農をしたくて、北海道の帯広畜産大学に進学しました。ただ現実はなかなか厳しくて、在学中は酪農を始めるというところまで決心できませんでした。卒業して就職して、30歳をすぎて退職して実家に帰ってきて何をしようかなと思ったときに、やっぱり酪農がしたいなと。」

 

「今の自宅は母親の実家なんです。祖母は娘2人で跡継ぎがいない家やったんで、孫の自分にずっと帰ってこいって言ってましたけど、昔は全然帰る気なんかなかったです。でも今考えるとそういう刷り込みはあったのかもしれないですね。酪農をしたいとなったときに、やっぱり縁のないところよりもっていう思いで、丹波市を選びました。」

 

丹波で酪農をしたいと思ってから、役所にも相談し、青垣の2軒の牛舎で1年ずつ研修をさせていただいたそうです。そして平成21年、2軒目の研修先の経営者さんに、牛も機械も建物もそのままで経営移譲していただきました。その2年後には新しい牛舎を隣に建て、そのときに丹波乳業の前身である酪農組合の理事も任され、平成26年の10月からこの工場を会社にして創業開始されました。現在も社長をしながら、酪農を続けられています。

 

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「朝はだいたい5時すぎくらいから牛舎に入って、9時頃まで作業をして、帰って用意をして10時くらいに出勤しています。晩は戻れないことが多いので地元のアルバイトの方に任せていますが、土日は1人で牛舎の仕事をしていることが多いですね。」

 

「牛飼いに興味がある人も来てくれたら嬉しいですけどね。遠出せなあかんことも多くて、やっぱりずーっと牛の傍にいてられるのが1番なので、もし牛舎もやる気のある人がおったら2,3年は修行やと思って頑張ってもらって、それでできそうやったら任せます。」

 

二足のわらじで大変そうに思えますが、ご自身も酪農をしているからこその強みもあります。

 

「うちの商品を使っていただいてる方々も、自分がつくってるもの、売ってるものがどういうものなのかということで生産者の話に興味を持ってらっしゃる方が多いです。この前もお菓子屋さんの社長さんがスタッフと家族を連れてうちの牛舎を見に来てくれました。代表である自分が牛飼いもしていて、ここの牛乳も製品になって届けられてるんやってことを見ていただけるのはいいですね。」

 

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縁があるところ、というのももちろんそうですが、工場があるということも丹波で酪農をしようと決断した大きな理由の1つだったそうです。一般的に、牛乳工場の牛乳は全国から集められている場合がほとんどで、酪農家からしても自分が絞った牛乳がどこの工場に行って、誰が飲んでるかというのもなかなかわからないものなんだそう。

 

「うちの牛舎とこの工場は、牛舎の前の通学路を毎日子どもたちが通って、自分のとこの牛乳をその子たちが通ってる小学校の給食にも使ってるし、近くのスーパーにも置いてもらってるんですが、なかなかできないことやと思います。その牛が食べる餌も近くの農家さんたちに作ってもらったり、そういう取り組みもしてるんで、地域全体で牛乳を作って、それを子どもたちに飲ませて育ててるんやっていうところはすごく誇りに思います。」

 

「牛の餌を作ってくれてる近くの田んぼの農家さんたちが小学生の孫とか連れて牛を見に来たりもするんですよ。『これじいちゃんが作ったあの餌食べてるんやで』みたいな話をしてんのかなーとか思うと、すごく嬉しくてね、そういうのは守っていきたいなーと思います。新しいチャレンジも取り組んではいるんですけど、その基本的なところはやっぱりぶれないで守っていきたいなと思ってます。」

 

市内学校給食の定番ですね!

 

現在、“ひかみ牛乳”は丹波・篠山・朝来・養父の4市と豊岡市の日高町と出石町の学校給食に使われています。今後も範囲を広げていく予定なのでしょうか。

 

「給食のエリアっていうのは、なかなか広げられるものではないので、今飲んでもらってる子どもたちにずっと飲んでもらえるように頑張ります。」

 

「でも兵庫県内でもうちょっと売り先は探したいと思ってます。丹波市内ではどこのスーパーさんでも扱っていただいてるし、他より少々値段が高くても選んでもらってるのでありがたいんですが、他のエリアがまだ手薄ですね。篠山、朝来、養父でも一部しかなくて、まずは学校給食のエリアだけでもなんとか置いてもらいたいと思っています。子どもたちも家でも飲みたいって言ってくれてるみたいなので。」

 

 

「それと、今丹波の黒豆や小豆、ブルーベリーが入ったヨーグルトをお客様に喜んでもらってるんですけど、そういったシリーズのバリエーションをこれからもっと増やしたいなと思ってます。少なくとも、丹波の牛乳を使ってるのはうちだけなんで、丹波の牛乳と丹波の〇〇、兵庫県の〇〇みたいな感じで、都市部にも売っていけるような商品開発をしていきたいですね。」

 

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丹波乳業の工場では、毎朝契約の酪農家さんから約15tの生乳を集め、小さなゴミを取り除き、製品によってはホモジナイズ(脂肪球を細かく砕くこと)したり、製品ごとに温度や時間を変えて殺菌をし、充填機を使ってパック詰めをして、完成した製品を配送しています。

今回募集するのはどの部分の仕事になるのでしょうか。

 

「工場内作業の冷蔵庫管理業務は、紙パックに入った状態の牛乳がラインから流れてくるんですけど、それをお客様や商品ごとに並べて分別していく、次の日の納品分ごとに分けていく、そういう仕事です。これは事務所から配送先と商品の個数などが書いた書類があがってくるんで、それにしっかり合わせていく。人間なので意外とこれがミスるんですけど、しっかり集中してお願いしたいですね。」

 

「充填機のオペレーターっていうのは紙パックに詰める工程の機械作業の部分です。ちょっと技術職なんで、一人前になるのには時間がかかるんですけど、牛乳の仕上げの部分なんで、慎重にやってもらいたい。将来的には、他のヨーグルトとか牛乳の殺菌であったり、いろんな工程にも取り組んでもらいたいと思ってるポジションですね。」

 

充填機のオペレートの作業です

充填機(牛乳を紙パックに詰める機械)に紙パックの元になる紙を設置しています

 

 

 

「都会の超一流企業に比べたらやっぱり給料は全然安いんで、それはもう否定できない事実なんですけど、地元の牛乳で、おいしいもの運んでるとか作ってるというところに誇りを感じてもらえる人がうれしいですね。うちの製品は、ほんまにおいしいからってもうそのシンプルな理由でとってもらってるところがほんと多いんです。だからそれをずっと守るために、コツコツ頑張ってくれる方が嬉しいです。一攫千金は無理です(笑)」

 

「例えば、新規就農希望の人の副業としてもいいかもしれないですね。シフト制なんである程度自由がききますし、農業で稼げるようになるまでのつなぎとか、週に3日だけ外で仕事したいとかでも。うちのお客様って消費者団体とかもあるので、将来お付き合いできるかもしれないですもんね。もともと有機農業とかこだわってる人が低温殺菌牛乳を作ってた経緯があるので、まずはうちの仕事をしながら、自分も将来農家になりたいって話をしたらきっと応援してくれると思うんです。」

 

「将来酪農をしたいから、そのための勉強とかもありだと思います。シフト制なので、夕方に牛舎で作業とかもできるかなと。それに、毎日コツコツの仕事で、残業もほとんど発生しないんで、規則正しい生活を送ってもらえると思います。」

 

 

 

実際に働いている方はどう感じているのでしょうか。

今年の4月に大阪から丹波へ移住してきた従業員の松井さんにもお話を伺いました。

 

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「僕が初めてで唯一の移住者みたいで、大丈夫かな、そんなので受け入れてもらえるのかなという不安はあったんですが、するっと受け入れてもらいました。」

 

「普通にやれる人なら馴染めると思いますよ。雰囲気も良くて明るいですし、働きやすいところなので。」

 

「給料は前の仕事に比べたら高くないけど、やりたいと思ったことをさせてもらえる範囲がすごい大きいです。こんなことやってみたいとか、これが必要だと思うとかうっかり口に出すと、じゃあ松井くん担当よろしく!ってなります(笑)」

 

そう話す松井さんは、主に販売事務のギフト担当として受注の管理をしています。お中元やお歳暮の時期はどうしても仕事が増えますが、普段は毎日コツコツ仕事をして基本的に定時には終わるそうです。入社してまだ半年ちょっとですが、任せてもらえる仕事がどんどん増えていってるのだそう。

 

「今度新製品を作るんですけど、その担当もしてます。一応こんなのが作りたいっていうのは社長のところにあって、ここよりも田舎の安富町というところに行って、仕入れやお金の話、こちらの製造のことなど、先方との間に入って話をしてます。」

 

「うちの会社は広報にもっと力を入れるべきだと言ったら、いつの間にか広報の担当にもなっていて、今facebookはほとんど僕が更新してます。そろそろ広報として外回りもしていこうと言われてて、酪農家さんとかうちの商品を卸してるとこに行って取材して、facebookなどで発信していきます。会社のことをよく覚えたら、将来的には営業もやってほしいと言われてます。」

 

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松井さんは、以前は大阪でビルメンテナンス業をしていました。

そもそも丹波、そして丹波乳業を選んだ理由はなんだったのでしょうか。

 

「もともと田舎暮らしがしたいなと思って、去年の8月に大阪であった移住相談会に行きました。その中で丹波市ともう1つ印象がよかったところがあったので、後日どちらも訪れてみました。もう1つの方はバスツアーで行って、丹波市の方は1日かけて個別で案内してもらいました。いろんな移住者の人に会わせてもらったんですけど、丹波にきてる人ってみんな濃くて、めっちゃいきいきしてるじゃないですか。そのとき嫁と来てたんですけど、なんか丹波いいねえってなって、田舎にしては便利っていうのもあって丹波市に決めました。」

 

 

「僕の夢のひとつに将来かき氷屋さんをしてみたいというのがあって、牛乳を凍らせてかき氷にすることも考えてました。丹波乳業のことはfacebookなどで見て知っていて、ここの牛乳美味しいらしいから、ここで牛乳のことを知ってから作るのもええんちゃうかなっていうのをぼやーっと思ってて。そんな話を丹波の人にしてたら、募集してるから受けてみたら?ってなってその場で社長に電話かけてくれて、面接の日が決まって受けました。」

 

丹波に移住すると決意してから、トントン拍子に事が運び、4月からの仕事まで決まった松井さん。それなら家を早く見つけないといけないと探していたら、なかなかない一軒家の賃貸物件を不動産屋さんに紹介していただき、状態もよかったので、すぐに入居を決めたそうです。

 

とても丹波での生活や仕事を楽しんでいるように見える松井さんですが、今後やりたいことはあるのでしょうか。

 

「会社の宣伝を兼ねた“丹波ミルクカフェ”をこの近くでやるのはどうかなとちょっと思ってるんです。うちの会社の製品とか、それを使ってくれてる他のお店の商品を仕入れたりして。まだ会社の誰にも言ってないんですけどね、迂闊に言うのこわいんで(笑)」

 

「実は丹波市の人が全然丹波乳業の製品を知らないっていうのにちょっと衝撃を受けてて。学校給食で使われてたりしてひかみ牛乳で育ってるから、それはみなさん知ってるんですけど、下手したら丹波乳業って名前も知らないんです。ひかみ牛乳だけじゃなくて、低温殺菌牛乳もおいしいとか、飲むヨーグルトにも種類があるとか、こんな飲み方したらおいしいとか、そういった提案もできる場にできたらと思ってます。」

 

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低温殺菌牛乳や生クリームのことなど、知識も豊富で丁寧に説明してくれた松井さん。全部入社してから勉強したのかと聞くと、疑問に思うたびに社長や営業の方に聞いて教えてもらい、興味があるから覚えているそうです。丹波乳業の製品がどんなお店でどんな商品に使われているかなどもよく知っていて、休日には使ってくれているお店の商品を食べに行ったりもよくするのだとか。

 

ただの工場での作業と捉えるのではなく、こんなふうに生産地の近くであることを活かし、生産の現場や製品について興味を持って取り組める方にとっては、ぴったりのお仕事ではないでしょうか。農業や酪農など、一次産業に興味がある方にとってはなおいいかもしれません。ぜひお気軽にお問い合わせてみてください。

 

丹波乳業 株式会社

  • 求人番号
    (1)28130-379071
    (2)28130-378171
  • 就業場所
    兵庫県丹波市氷上町石生桧ノ前162
  • 募集職種
    工場内作業
  • 雇用形態
    (1) 正社員
    (2) パート労働者
  • 給与
    (1) 月給 150,000〜200,000円
    (2) 時間給 820円
  • 福利厚生
    ・通勤手当毎月20,000円まで
    ・加入保険:雇用、労災、健康、厚生
     (加入保険について、パート労働者は雇用状況(就業時間、就業日数等)により異なります。)
  • 勤務時間
    (1) 5:00〜15:00の間の8時間
    (2) 5:00〜15:00の間の6〜8時間 (応相談)
    (1)(2)ともにシフト制
  • 休日
    (1) 週休二日制、6ヶ月経過後の年次有給休暇日数 10日
    (2) 週3〜4日 (応相談)
  • 仕事内容
    ・冷蔵庫管理業務
    ・製造充填機オペレーター


    *試用期間あり(3ヶ月、労働条件変更なし)
    *雇用期間12ヶ月、契約更新の可能性あり ※パート労働者のみ
  • 必要な資格、経験
    ・40歳以下、高卒以上 ※正社員のみ
    ・普通運転免許(AT限定不可) (必須)
    ・中型免許あれば尚良い
    ・リフト資格、経験あれば尚良い
  • 事業所の概要
    創業:平成26年
    資本金:2,630万円
    従業員数:41人
  • 事業所ホームページ
※この求人情報は、ハローワークが受理した求人票から、その一部を抜粋して掲載しています。
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