移住者インタビュー

Vol.35 / 2018.03.06

都会で生まれ育ったキャリアウーマンが田舎で子育て!

ワンストップ相談窓口・戸田晴菜さん

2017年・2018年に引き続き、丹波市が実施している「お試しテレワーク」企画で来丹された、東京在住のライターFujico氏。普段、東京に住んでいる方にとって、丹波市の人たちの暮らしはどんな風に映るのか。
この記事は、彼女が丹波市での滞在期間中に出会い、交流された方へのインタビューをまとめたものです。
丹波市に興味がある方はもちろんのこと、丹波市に住む方々も楽しみに見ていただければと思います。

人生をより豊かにするための選択として丹波に来た6人の移住者たち。今回は、夫の希望で地方に移住し、キャリアを捨て新しい生活を始めた、ワンストップ相談窓口で事務職を行う戸田晴菜さんにインタビューを行なった。

 

 

 

考えてもいなかった田舎暮らし

 

 

 

都会で生まれ都会で育った戸田さん。自分の人生で田舎暮らしをする時がくるなど、露とも思っていなかったようだ。丹波市に移住する前も都会にアクセスの良い場所に住み、社会福祉士としてのキャリアを積み上げていたところだった。

 

 

 

そんな戸田さんが田舎暮らしをすることになったのはなぜか。

 

 

夫の希望だったんです。夫は以前、ワーキングホリデー制度を利用しオーストラリアに2年住み、オリーブ農場で住み込みで働かせてもらっていました。その時に田舎暮らしをしていると、自分らしくいられると感じたそうです。

 

 

しかし戸田さんは当時、田舎暮らしを猛反対。

 

 

まず、自分の人生の中に田舎暮らしという選択肢がなかったんです。社会福祉士としてのキャリアを積んでいる最中でしてたし、虫も大嫌いで到底できないと思っていました(笑)

 

 

 

絶対無理!と思っていた所からわずか半年後には丹波に移住して来た戸田さん。どこで気持ちが大変化したのか。

 

 

毎年友人と企画し演奏会旅行に行っていた愛媛県・岡村島に遊びに行った時に、都会で募る日々のストレスや忙しさから解放される自分がいることに気づきました。そして、自分らしくありのままでいられる環境で生きたい、と思ったのです。それまでは、人から必要とされることに価値を求め、背伸びしていた自分がいて、より等身大の自分の方が自分も生きやすく、周りも笑顔になってくれると気づいたんです。その心境の変化が夫が希望していた田舎暮らしに繋がっていきました。 

 

「田舎暮らし、しても良いかも」そんな気持ちを夫に伝えてからは、全てがジェットコースターのように決まって行ったという。

 

最初は移住先も決まっていなかったが、戸田さんが田舎暮らしに対する前向きな話を夫にした1週間後。夫が移住相談のイベントに偶然立ち寄り、丹波市のブースを担当していたワンストップ相談窓口の委託を受けている、株式会社みんなの家の代表・井口さんと意気投合し、すぐに戸田さんと2人で丹波に訪問したという。

 

 

それまでは丹波がどこにあるかもよくわかっていませんでしたが、井口さんに紹介してもらい、自然の豊かさと人の暖かさに感銘を受けました。特に丹波の人は、初対面の人に対しても優しく接してくれ、自分事のように親身になって考えてくれる。それから何度も丹波に通い、ここに決めました。

 

 

 

 

 

結婚、妊娠、そして移住

 

 

結婚式を終え、まずは夫だけ丹波市に移住。井口さんの進めで大人のトライヤルウィーク」といった、さまざまな事業者.でお仕事体験を行うという経験をし、今の就職先に出会った。そして、夫の丹波での仕事も決まり家も決まるタイミングで、なんと戸田さんの妊娠が発覚した。

 

 

このタイミングで妊娠したことは、丹波で生活をすること、子育てを丹波で行うことに対し、背中を押してもらえた出来事だったと思っています。おかげで移住もスムーズに行われました。

 

 

全てがうまいタイミングで進み、無事戸田さんも丹波に移住し、その後、地方での子育てが始まった。

 

 

 

 

田舎で子育てと仕事の両立

 

 

子育てが始まり5ヶ月ほど。少し子育ての余裕が出てきたと同時に、社会との繋がりがなかなか感じられないことが辛くなってきた戸田さん。子どもがいながらも社会と繋がれる方法がないか、ワンストップ相談窓口で働いていた田代さんに相談しようと一歩踏み出したところ、偶然にも田代さんからその窓口の事務の仕事をしないかという話を頂きました。さらに職場に子どもを連れて来られる環境も整えてくれた。

 

 

子どもは宝。そう思ってくれる周りの人々に支えられて子育てが出来る。夫と2人で子育て、ではなく、地域の人々も一緒に子育てをしている感覚が心地よい、そう戸田さんは言った。

 

 

一度、都会の電車に子どもを連れて乗ったことがあるのですが、人も多いし子どもが泣いてしまったりすると周りに申し訳ない気持ちになって、子育てのしづらさを感じました。しかしここでは、むしろ声が聞こえないと心配!と言ってくださるほど、子どもが元気でいることが一番だと思ってくれている人が多く、とても子育てがしやすいです。

 

 

また、丹波市で子育てをするのは良いなと思う点は、保育園の探しやすさ。希望の保育園に100%入れるわけではありませんが、待機児童はほぼないので、仕事に復帰したいと思ったら、復帰しやすい環境だと思います。私の場合は職場に子どもを連れて行っているので、丹波市内でもレアなケースだとは思います。しかしその環境がなくても、丹波で子育ては都会に比べとてもしやすいなと感じられると思います。

 

 

都会にいれば待機児童は当たり前で、生後3ヶ月くらいで保育園に入れないと、なかなかその後保育園に入るのが難しい場合もあり、仕事復帰がしにくい。しかし丹波市では仕事も子育ても行える環境が整っているのだ。

 

 

 

 

生活の幅を広めてくれた田舎暮らし

 

 

今では夫よりも田舎暮らしを楽しんでいると周りに言われるほど、生き生きと過ごしている戸田さん。仕事も都会では社会福祉士一本でやってきたが、丹波ではワンストップ相談窓口での事務、NPO法人の経理、またライターとしての仕事など様々な仕事にチャレンジしているそうだ。

 

こうしなければならない、というよりも色々な可能性にチャレンジできて、それを応援してくれる周りがいる。また、子育てをしながらもチャレンジできるように、在宅で仕事をするなど、環境にも配慮してくれる優しい人々に恵まれています。本当に移住してよかったと感じます。

 

 

 

 

もともと選択肢ではなかった田舎暮らし。しかし一歩踏み入れて見たら、今まで見たことのない素晴らしい環境がそこにある。仕事も子育ても、都会よりもより可能性を感じてイキイキと生きる戸田さん。地方に住むと思うと、やはり仕事や子育ては不安に思うところだが、

 

戸田さんの話を聞いていたら、むしろ全てが可能性に満ちているように感じた。

 

田舎暮らしを検討する夫婦がいたら、ぜひ彼女に会って欲しい。「不安」が「希望」に変わるはずだ。

 

 

子育てについて。移住相談の中でもよく聞く不安の一つです。都市部で暮らした経験しかない方達にとって、地方への移住は未知の世界。特に女性は、自分のこと以上に家族のこと、子どものことを考えて暮らしについてのご不安をお持ちです。戸田さんも、丹波へ移住する前は様々お悩みのようでしたが、今は逆に、その悩みを相談するお仕事をされています。もし悩んでいるけれど不安がたくさん・・という方は、一度戸田さんと出会ってみてください。実際に暮らしてみてどうかを、比較しながら考える事ができると思いますよ。