笑顔がみたい そのための仕事・店づくり
café ma-no 北 信也さん
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café ma-no は、丹波市の中央を通る国道か ら路地に入った場所にあります。東京生まれ、 兵庫県三田市で育ったオーナーの北さんは、 神戸・東京でパティシエ・バリスタとして経験 を積み、2012 年に ma-no を開業しました。 小学生の頃から自分でお店をやりたいと考え ていた北さんは、20 歳の頃にスイーツとコー ヒーのお店をやると決め、夢を実現。「笑顔が みたいという自分の欲求を満たすためにお店 をやってるんですよ」と話す、北さんがつくっ ていきたい場所について聞きました。
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この場所に出会ったから
飲食店の開業を志した北さんは、 一番初めに場所のことを考え た そう。ひとつひとつ自分の足で 物件を見て、調べて、今の ma-no の場所を選びました。
〝信じるか信じないかは抜きに して、フィーリングで「いい」 と思う場所があって。田舎と 言っても人によっては森の中と か、川のせせらぎが聞こえる場 所とか、自分のイメージに沿う 場所があると思うんです。私は この場所を見た時に「あ、ここ でやろう」って。〞
高校時代は隣の福知山市の高 校へ通っていた北さん。開業する と決めた後 、小学校の同級生たち にも手伝ってもらいながら、お店の内装やテーブルまで、自分 たちの手で作っていきました
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丹波の面白さは、人に尽きる
ma-no の意味は「手」とい う意味。人と人、ものともの とをつなげていくことが楽し いと北さんは語ります。
〝知ってる人と来てしゃべるだ け、食べるだけのカフェじゃ ない方が面白いと思っていて。 ウチの店は 人掛けの大きな テーブルがメインテーブルな んですよ。全く知らないグルー プが隣に座って、例えば常連 さんが新しく来たお客さんに「これがおすすめ」なんて紹介 してくれたりするのは最高に嬉しいよね 。〞
〝農家さんやものづくりをする 職人さん、色んな面白い人や ストーリーと一緒に「つなが り」が ma-no で生まれていく のを見るのが楽しい。色んな ストーリーを散りばめて、な んで美味しいか知ってる?と いうのを一から話したくなっ ちゃうんですよね。〞
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どんな話を聞いても、笑顔で楽しそ うにお話をしてくれる北さん。「笑顔 がみたい」そしてそれを仕事にしたい という想いは、小学校の頃、自分でつ くったお菓子を友達に配って「甘いも のってこんなに簡単に人を笑顔にで きるんだ」と感じた経験から持って いた根本的なものだそう。
〝カフェをしたい、という話はよくあ りますよね。でもその先に「何を得た いか」を明確にしておくことが大事だ なと思っていて。そういう意味で言う と私の場合はカフェじゃなくてもいい んですよ。違うことで笑顔をつくれる なら、それでいい。〞
〝自分が何を得たいか、をすごく大事にし ていると思います。私はお客さんの「美味 しい」っていう言葉の先にある笑顔に幸 福感を得られたり、欲求が満たされたり するので、今生きてることがとても楽し い 。み ん な に 好 か れ た い 、じ ゃ な く て 私 が こういう風にしたい、していきたい、とい う表現をお店でしている感じですね。〞
北さんは10年20年と、丹波市の地でお 店を続けていきたいと思っているそう。 今自分が心地よく、仕事や生活ができて いて、社会に同じように幸せな人が増 えてほしいなと思っているのだとか。
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〝言ってしまうと、別に丹波じゃなくても全然いけるとは思うんです。どこの地域にも人はいるから、人の掛け 合わせできっと面白いことが生まれ ていく。自分はこうしたいんだ、こ れをやっていきたいんだということ をしっかり持っていると助けてくれ る人はたくさんいるなって。〞
仕事を選ぶとき、住む場所を変え るとき、そこには新しい発見や人と の出会いがあります。「根本的に自 分が何を幸せと感じ、そのために全 力で取り組めるか」をしっかりと落 とし込んでいる北さんは仕事を、暮 らしをとても楽しんでいるように 見えました。今後何かチャレンジし たいことはありますか?と聞いたと ころ「温泉を掘りたい!」と笑いな がら教えてくれました。できなさそ う、とやらないより、なんでもやっ てみて、じいちゃんになった時に孫 に語れる経験をいっぱいしていきた いと無邪気な笑顔で話す北さん。 きっとこれからも変わらない歳のと りかたをしていくんだろうなあと想 像しながら、お話を聞くうちに笑顔 になっていきました。
いつかカフェを開業したいなと思っている方 や 、田舎でカフェをやるってどんな感じだろう? とご興味のある方はぜひ一度覗きに行ってみてください。たくさんの想いやストーリーがつまった空間のことを質問すれば、きっと面白いお話が聞けると思いますよ。