移住者インタビュー

Vol.11 / 2016.01.26

仲間が集まり、増える場所!パラグライダーインストラクター・加藤夫妻の語る「空から見た丹波」

加藤夫妻さん

パラグライダーから撮影した、丹波市の風景

加藤豪さん、加藤かおりさん夫妻

明石市出身の加藤豪さん、岡山県出身の加藤かおりさん。パラグライダーをきっかけとしてヨーロッパで出会ったお2人は、2年前に丹波市青垣町市原で「ROLL OUT株式会社」を設立。丹波歴は豪さんが23年、かおりさんが12年。ヨーロッパや日本全国でパラグライダーをされてきたお2人に、「空から見た丹波」のお話を伺いました。

麻子(以下、麻):こんにちは。わー、猫ちゃんがいらっしゃるんですね。
加藤豪さん(以下、豪):こんにちは。こっちはうちのネコ校長のオニオンと、黒い方がネロです。2匹とも丹波の保護猫です。

お話をお伺いした、加藤豪さん・かおりさんご夫妻と、子猫のオニオンさん

美人雌猫のネロちゃんと、かおりさん

麻:よろしくお願いします。お二人は、ご出身はどちらですか?
豪:僕は明石市です。
加藤かおりさん(以下、か):私は岡山県岡山市で。
麻:それがどういうきっかけで出会われたんですか?
か:パラグライダーで出会いました。ヨーロッパに行って飛んでた時に。(豪さんのことを)名前は前から知っていたのですが、実際に出会ったのはヨーロッパでした。
麻:ヨーロッパは、どちらに?
豪:大体、アルプス沿いですね。フランス、ジュネーブの南の方とか。国で言えば、ドイツ、フランス、オーストリア、スロベニア……
か:イタリア、スペイン、ギリシャも……私はラテン系の国が好きだな。
豪:ワールドカップがあったんで。
か:私はパラツアーの引率の後、プレス、取材です。一緒に飛びながら写真撮ったりとか。

海や山など、いろいろなところで飛んできたかおりさん

麻:豪さんは、日本リーグのチャンピオンになられたり、数々の出場・賞歴をお持ちですね。
豪:昔はいろんな大会にも出ましたが、今は丹波から出ないですね(笑)。そもそもは、父がここでパラグライダースクールを開いていたのがきっかけで丹波に来るようになったのですが、こっちにきて23年くらいになります。

か:私は結婚をきっかけに、12年前くらいにここにきて。この「ROLL OUT株式会社」は、2年前に設立しました。

ロールアウトパラグライダースクール外観 パラグライダー仲間たちと

麻:豪さんは、お父様がパラグライダーをされていたということですが、かおりさんはパラグライダーに出会うきっかけがあったんですか?
か:私はもともと丸紅(株)に勤務してたんですけど、その時に会社が出資してパラグライダースクールの運営に携わったのがきっかけです。で、始めたらハマっちゃったみたいな感じで。そのまま趣味で飛んでたら、なんとなく会社も辞めてという感じで。人生をちょっと「変えたい」と思う時期、きっとみんなあると思うんですけど、その時期と重なったのかな。
麻:会社でのきっかけがある前に、興味などは……?
か:全然ないです。会社の友達に「パラグライダー絶対良いから」って無理やり連れて行かれて(笑)。「飛ぶ」ということを特別に思っている方も多いんですけど、私は普通のスポーツの1つという感覚でした。
麻:初めて飛んだ時はどうでしたか?
か:別に、なんとも(笑)。「まぁこんなもんか」って感じだったんです。飛ぶのが夢!という人は実際飛んだら泣いたりする人もいますけど、私は、そういうこともなく。でも、「みんなは感動するんだな」って思って、そこに興味が出ました。「みんなに感動してもらいたい、知ってもらいたいな」と思うようになって。

豪:やってみると、奥が深いんですよね、パラグライダーって。飽きないし、どんどんうまくなっていって、どんどん空域が広がっていく。

麻:空域?
豪:空の、飛べる範囲のことです。隣の山に行って戻ってきたり、もう一つ隣の山に行って戻ってきたりとか。競技に出て、色んな人と競っていったりするのも面白いです。

パラグライダー仲間たちと

麻:ヨーロッパで飛ぶのと、日本・丹波で飛ぶのは違いがありますか?
豪:ヨーロッパでは一度飛んだらずっと飛んでいられる感じがします。天気も晴れていたら1週間晴れ続きだったり穏やかなので。

か:丹波は、天気はレーダーを見ながらですが、山や気流が良いですね。何が良いかっていうと、風が良いんですね。本州の真ん中らへんにあって、内陸なので上昇気流が豊富で。それに、ここなら、飛ぶのにオールシーズンお勧めなんです。

豪:いつ飛んでも景色がきれいで、それぞれの季節の良さがあるので、丹波で思い立ったらいつでも飛んでみたらいいと思います。

か:思い立ったらいつでも飛べるというのが丹波の良さですね。それに、気流がいいからか上級者がここには集まるんです。上手に飛べるようになったら、上手に飛べる人たちと一緒に飛びたいと思うようになって。仲間ができてハマっていくと、青垣で飛ぶ、パラグライダーをするというためにIターンをしたり、こっちに家を買われたりという人たちも増えているんです。

麻:ここだったら、飛べるし、仲間もいるし。
か:おうちを購入されて、シェアハウスにしたりして。で、そこでパラグライダー仲間が交流して、出会って、結婚して古民家を買って住まわれたりとか。
麻:パラグライダーをきっかけに、丹波市民・青垣町民が増えてる感じですね!
か:みんなが来てくれるから、私たちはここにいるっていう感じです。結局「人」かな。
豪:今は阪神間から仲間がどんどん集まってくれていますが、日本のいろんなところからまた新たな仲間が増えていって、それでどんどん丹波の、青垣の人口が増えていったらなと思っています。

 

【TURN WORDS】

「人生をちょっと「変えたい」と思う時期、きっとみんなあると思う」
会社の業務で始めたパラグライダーが、そのまま趣味に、そして起業につながった加藤かおりさん。「人生をちょっと変えたい」という思いは、確かに誰でも抱くかもしれない。だけど誰もがそれを活かせるわけじゃない。加藤さんの今は、その「ちょっと」の思いの先に踏み出した、決断力があってこそだろう。

 

ロールアウトパラグライダースクール

所在地:兵庫県丹波市青垣町市原645-1
お問合せ先
Tel:0795-87-1825
FAX:0795-86-8125
URL:rollout.jp/index.html
営業時間:9:00~ 17:00
定休日:火曜日
駐車場:無料
予約:要

 

interview / writing:済木麻子