移住者インタビュー

Vol.62 / 2019.12.30

都会で住んだからこそわかる丹波市の良さ!Uターンで丹波市を楽しむ方法

中井満理子さん

2017年・2018年に引き続き、丹波市が実施している「お試しテレワーク」企画で来丹された、東京在住のライターFujico氏。普段、東京に住んでいる方にとって、丹波市の人たちの暮らしはどんな風に映るのか。
この記事は、彼女が丹波市での滞在期間中に出会い、交流された方へのインタビューをまとめたものです。
丹波市に興味がある方はもちろんのこと、丹波市に住む方々も楽しみに見ていただければと思います。

日本の地方では、20~30代の若者が都会に出たまま帰ってこないということが多いらしい。そもそも地元が好きではない人もいるかもしれないが、多くの人が「帰りたくても仕事や住む場所がなくて、帰れない」と言う。そんな中で、一度都会に出たものの、丹波市で仕事を見つけてUターンをした若者がいる。彼女はさらに、国際的な社会奉仕連合団体「国際ロータリー」が提唱する、ローターアクトで地域活動を行い活躍している。その方は、中井満理子さん。なぜ中井さんは、就職活動等が厳しいと言われる地方にUターンを決めたのか、また丹波市でどのように活躍されているのか、お伺いした。

 

 

 

 

 

丹波市での生活から都会進出を決意。宝塚へ引っ越す

 

 

 

 

丹波市で生まれ育った中井さんは、25歳になるまで他の土地で暮らしたことがなかった。

 

 

 

20代のうちに一度は丹波を出て暮らそうと思っていました。ただ、丹波を拠点に活動している地域奉仕活動をしていたので、丹波と行き来しやすい場所が良いなと思い、宝塚に引っ越しました

 

 

 

写真が好きだという中井さん。丹波市に帰りやすいこと、そして大阪や神戸の展示会・イベントに行きやすいという理由で、宝塚を選んだ。マンションに住み、その近くの写真館に勤め、学校での撮影などを行った。その他、プラスチック製造の会社などで勤めるも、宝塚で暮らすことに違和感を覚えたという。

 

 

 

宝塚にいるのに、ほぼ毎週丹波に戻っていて。その度、丹波の良さに改めて気づいたのです

 

 

 

 

都会の暮らしから感じた丹波市の良さ。Uターンを決意

 

 

 

今まで当たり前だった風景が、離れることによって改めて素晴らしいものだったと気づいた中井さん。

 

 

 

四季の移り変わり、そして丹波市にいる人々のやさしく穏やかな人柄。丹波市の人は、道ですれ違えば挨拶し会話が始まる。知らない人でも地域の人だからと思って挨拶をしてくれる。これって普通ではないんですよね

 

 

 

慣れ親しんだ光景や行動は、実は丹波市ならではの良さだった。やっぱり離れてみて、自分は丹波市が好きなんだと自覚し、Uターンすることにしたという。宝塚に来て1年がたった時だった。

 

 

 

 

 

2019年の2月に丹波市に戻ってきました。帰ると決めてから、知り合いにどこか楽しそうな会社はないかと相談したところ、今の勤め先を紹介してくれたんです

 

 

 

なた豆茶を製造する会社に入社。新しいことへのチャレンジ

 

 

 

ジャックと豆の木のモデルにもなったという「なた豆」。丹波市はなた豆の生産地でもあり、そのなた豆でお茶を製造し販売している会社に、中井さんは入社した。

 

 

 

 

今まで自分が関わって来なかった業界ですが、新しいことにチャレンジして楽しいです。

 

 

 

地元の人と連携を取りながらどんどんと、兵庫県、日本、世界へと丹波市の特産を広めていく。自分一人に任せてくれる仕事量も多く、大変だけどやりがいがあると笑顔で話してくれた。

 

 

 

 

 

会社の人も前向きで良い人ばかり。とても良い会社を紹介してもらえたと思います。

 

 

 

信頼を置ける人から紹介してもらえた職場。このような繋がりがあるのもUターンの良さだ。次は写真という特技を活かして、会社に貢献できたら良いなと思っているという中井さん。新しいこと、やりたいことに前向きに取り組む彼女の姿勢は、とても輝かしく思えた。

 

 

 

柏原ローターアクトクラブで、地域活動に熱中

 

 

 

プライベートの時間も、丹波市で有意義に過ごしている中井さん。どんな活動を行っているのだろうか。

 

 

 

ローターアクトクラブという、地域に根ざし貢献する国際的な組織に所属しています

 

 

 

兵庫県だと9つ同クラブがあり、その中の一つ、柏原ローターアクトクラブに所属している。18歳から30歳まで参加可能だという。

 

 

 

活動はさまざま。例えば今だったら、丹波市に900人の外国人の方が住んでいるのですが、その在住外国人との交流会を行いました

 

 

 

 

ローターアクトクラブでは、外国人は外国人、丹波市の人は丹波市の人と分けるのではなく、同じ地域に住む者同士として、交流事業を行なっている。またその他にも、若者に地域に残ってもらったり、Uターンしてもらいたいと考えているため、高校生や看護学生向けに、丹波市で活躍する人に講演会を行ったり、地域で社会人をしている中井さんのような若者と学生を繋げる活動を行ったりしている。

 

 

 

友人に誘ってもらい2016年に所属したのですが、宝塚にいた時もこの活動のために丹波市に戻っていたくらい、とてもやりがいのある活動です

 

 

 

高校を卒業してからなかなか出会うことができない近い世代と、地域をよくするために力を合わせる。同じ目的を持つ同志だからこそ、一緒に活動していてとても楽しいそうだ。

 

 

 

都会と丹波市。比べてみてもやっぱり丹波市が素敵だと思う、その心は

 

 

 

やっぱり丹波市が好き!そんな思いで戻ってきた中井さん。とは言ったものの、都会にも都会の良さもあったと思うが、丹波市のどこに改めて惚れたのだろうか。

 

 

 

まず緑の色が違いますよね。宝塚も緑は多いのですが、都会の緑は淡い。丹波市の緑は彩度が高いんです。

 

 

 

 

 

長い年月をかけて森になった丹波市の山は、色濃く力強く美しい。どんなに緑をたくさん生やしていても、自然にできたものの魅力には勝てないと中井さんはいう。

 

 

 

車がないと丹波市は移動できないので、そういう点は都会は便利でいいなと思います。だけど、逆にそれくらいです。スマートフォンがあれば情報は入ってくる。お店などは少ないですが、おしゃれなカフェとかもあるんですよ。

 

 

 

コーヒーも食事も美味しいcafe ma-noや有機野菜を使った料理を提供するカフェダイニング田、ジビエ料理の無鹿リゾートなど、おすすめのカフェやレストランを教えてくれた。移住者も増え、おしゃれでかつおいしい、こだわりのある場所が多いため、友達に会ったり、ちょっと息抜きをしたりするのも、特に困らないそうだ。

 

 

 

帰ってきてさらに魅力を知りました。本当に丹波市に戻ってきてよかったです

 

 

 

 

 

仲間と語る野望。丹波市だからこそ叶えられる若者たちの夢

 

 

 

中井さんには今後、丹波市でやりたいことがあるという。

 

 

 

友人とシェアハウスをしたいねって話してるんです。共有スペースでイベントをしたり、地域の人と繋がる場所にできたらいいなって考えてます。こうやって楽しい話や前向きな話ができる仲間が、丹波市には多いですね

 

 

 

数は少ないものの、丹波市にいる同年代の仲間は、パッションを持った人が多いという。丹波市という土地で、自分たちも楽しみながらどうやって人を巻き込んでいくか。そんなことを計画しているそうだ。

 

 

 

 

 

丹波市に戻りたいとポジティブに思い、戻って来る子を増やしていきたいです

 

 

 

丹波市の魅力に気づいてUターンをした中井さんだからこそ、できることではないかと思う。

 

 

面白そうと思ったことには、何でも足を運んでみるという中井さん。その彼女の行動力があれば、楽しいことも、それに興味を持つ人々も、どんどんと舞い込んでくるのだろう。

 

 

 

みなさん。まずはぜひ、丹波市に来てみてください

 

 

 

まるで、「丹波市に来たら絶対好きになるから」と言わんばかりの自信に満ちた笑顔で話してくれた。

 

 

 

 

こんなにやる気とワクワクに満ちた若者がいることこそ、丹波市の宝ではないかと思う。地方は何もない、ではない。むしろ都会にないものがたくさんある。それを中井さんが証明してくれている。地方移住が気になっていた若者よ。とりあえず訪れてみてはいかがだろうか。もしかしたら丹波市に、恋をしてしまうかもしれない。

「今日は私の好きな場所で撮影できたらと思うので、良かったらこちらに来てください。」そう言って中井さんは今回の取材場所にご自身が住む丹波市市島町のお気に入りのダムを紹介してくれました。編集部も行ったことのなかったダムは、丹波市の緑が美しく映えて近く感じられ、改めて「ああ、丹波市って良いところだな」と感じる場所でした。Uターンで丹波市に帰ってきた中井さんだからこそ「ここが私の思う丹波の良いところだ」という地元の人しか知らない情報を知っているのではないかと思います。今後も、都市部の暮らしも経験してきた中井さんならではの目線で丹波市の魅力を形づくっていく活動に注目です。