移住者インタビュー

Vol.26 / 2017.01.25

旧公民館を改修しながら住み継ぐ 。「市島町北奥の高橋家」

高橋のりと/さやかさん

 

丹波市市島町北奥。その名の通り市島町の北の奥で、山を一つ超えたら京都府福知山市です。

 

 

北奥に向けて車を走らせながら見上げると、ぽこぽことした里山の間にぱっくりと大きく空が広がっていて、

その下には畑や田んぼに囲まれた暮らしの営みが息づく。

ここはきっと、多くの人に「理想の田舎」と言わせる魅力のある地域。

 


photo |  兵庫県等59号線を左折し高橋家へ向かう途中

 

さて、この北奥にはどんな人が暮らしているのだろう?

どうやら数年前に移住をしてきて、地元の人には「一風変わった」、

都会の人には「憧れの」暮らしをしている家族が暮らしているようです。

「大工の高橋さん」とも呼ばれる人。一体どんな人?

好奇心に駆られ、さっそく、お話を聞きにいってきました。

 

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  【取】取材班  【の】高橋のりとさん  【さ】高橋さやかさん
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【取】 (´-`).。oO(あ、明らかに一風変わった家が見える。あの家に違いない。)こんにちは〜

【さ】 こんにちは〜どうぞ上がって上がって。

 


photo |  高橋のりとさん(36)、さやかさん(36)長女ひまりちゃん、次女はるねちゃん、
長男ふうきくん(3):のりとさんは東京都八王子市出身、さやかさんは長野県北安曇郡出身

 

子どもが生まれる都度に微調整。
旧公民館を改修して「住み継ぐ暮らし」。

 

【取】 窓が大きくて光が入って、気持ちいいですね〜この家、どうやって見つけたんですか?

【の】 ここはね、もともと『親方』の家だったんです。

【取】 『親方』って大工の親方ですか?

【の】 そう。親方が住む前は旧公民館。その前は分校で、それを移築して建てたみたい。

【取】 もともと親方が住んでいた家を譲り受けた?

【の】
そう。最初はバイクに乗っていろんなところを走り回って、空き家っぽい家を見つけては、
『ここ住んでいいですか?』って自力で探し回ったけど、当然ながら断られてね(笑)。
そうしているうちに、親方が結婚を機に綾部に引っ越してね。

【取】 なるほど、それでこの家に。

【の】 そう。それで、『この家に住みたい』って、この↓写真をさやかに送ってね。

 

 

【取】 え、この写真・・・もうすこし片付けてから撮ってもいいですよね?(笑)

【さ】 やっぱそう思うでしょ?「えっ!?」ってなるよね。

【の】 そうかなぁ・・・。すごく気に入ってくれるだろうと思ったんだけど(笑)。

【取】 いや、だってちょっとこの天井とか・・・すごいな。

【の】 雨漏りの最盛期でバケツが5個くらいあったね(笑)。

 

 

【取】 5個・・・(笑)あ、これ↓は土間ですね?

 

 

【さ】
そうそう。これは今寝室になっているところで、昔は土間だったの。
2番目の子が生まれるまではここで料理しててね。
でも生まれる時にキッチンを作ってくれて、天井も張り替えてくれて。
生まれる度にちょっとづつよくなるんだけど、今止まってるからリフォームの方も止まっちゃって(笑)。
子どもは冷たーい土間でハイハイしてたしね。

 

 

【の】
まあ本人たちは気にしてないだろうけどね。つまりそう、たくましく育ってくれたね(笑)。

【取】
なるほど(笑)。でも暮らしに合わせて家も調整していくって素敵ですね。
ちなみにさやかさんはまだ直してほしいところはありますか?

 


photo |  半屋根裏のようになっている子ども部屋。リビングが上から一望できる。

 

【さ】
多々あるよー!廊下はトイレまでつなげて欲しいし、トイレもリフォームして欲しいし。
お風呂は薪だけど、これは気に入ってるから残したいな。

【取】
さやかさんのご両親、最初ここに住むって言った時、驚きませんでした?

【さ】
うーん、私の両親も生まれは東京で、田舎暮らししたくて長野に移住して現在は木を扱う家具職人なので、
「同じ道を歩んでるね」って言われたかな。苦労するよって言われたなぁ〜(笑)。

 

京都の農学部卒の大工『親方』との出会い。
そして、弟子入り・・・・?

 

【取】 そういえば、お二人はどちらで出会ったのですか?

【の】 大分県にあるアジア太平洋大学(APU)が一緒だったね。そこでは、バイクのオフロード仲間でした。

【取】 APUって海外志向が強いイメージですが、のりとさんは建築の勉強をしてたわけではない?

【の】
大学を卒業する前に、京都にあった水関係のNPOでインターンシップをしていて、
その間に出会った「親方」がつくった家に衝撃を受けてね。杉がむき出しになってる家。
こんな家あるんだと思った。それで、知り合いを通じて『親方』を紹介してもらいました。

 


photo | 高橋家のアルバム。右写真にいるのが「親方」。

 

【取】杉だらけの家に衝撃を受けた?

【の】
生まれが八王子で都会だったこともあって、木がむき出しの家ってそんなになかったしね。
今思ったら消防法の関係だってわかるけど、その時は知らなくて。
家=工業製品みたいな感じだったから、木でできてる家は生命感があって驚いたんだろうね。

【取】なるほど。その時の衝撃で、『大工さんになりたい』と思った・・・?

【の】
その時はまだ『大工になりたい』というのはなかったかな。
親方を紹介してもらったのも、ただ興味があっただけで。

【取】それにしては勢いがすごいですね(笑)

【の】
そうだね(笑)。でも、親方はもともと農学部出身で大工になった異色の大工で、
その生き方もとても興味があってね。一度出会ったことをきっかけに、何度か現場に遊びに行かせてもらいました。

【取】現場はどうでしたか?

【の】
『仕事の仕方』がいいなと思いました。最初に行った現場は、
山の中で一人で寝泊まりして木を刻んで(家を)建てていて、それがとっても面白そうな職業だなと思い、
そこで初めて『大工』という職業を意識し始めたかな。

 


photo | 高橋家は床も壁も天井も木。広々とした木のフローリングが心地よい。

 

【取】 ちなみに、水フォーラムのインターンシップの方は完全にそっちのけですね(笑)

【の】
あー・・・でも関係ないわけではなかったんです。
例えば、水を綺麗にしようと思ったら山の維持管理が大切。
一度、NPOで水が流れてくる山を見に行くツアーをしたことがあって、
その時に見たのは間伐した木を切り放しで腐らしている荒れ果てた景色で。
こういった間伐材を使って家をつくりたいなと思っているタイミングで、親方と出会ったんです。

 

 

【取】 なるほど。ちなみに、実際『弟子入り』はすぐできたんですか?

【の】 うん、断られたよ(笑)なんたってずぶの素人で、建築学科出たわけでもないしね。
0から育てるのはキツイわって言われた。

【取】 そりゃそうか(笑)

【の】 なので、福知山の職業訓練校の建築科に入りました。

 

移住はやりたいことを追求していった「成り行き」。
丹波暮らしは、佐川バイトからのスタート。

 

【取】
それにしても、移住してきてから生計建てられるかな?とか不安に思うことありませんでしたか?

【さ】
うん、あったね(即答)。でも、私は大学4回生の時に保育士の資格をとっていて、
その頃は福知山で臨時職員の保育士として働いていました。

 


photo | 「保育士だったらどこでもやっていけると思ったの」と、
昔のことを思い出して思わず微笑むさやかさん。

 

【の】自分は最初の頃訓練校通いだったので、昼間は学校で夜は佐川で仕分け作業のアルバイトをしてました。
バイト代確か5万円くらいだったかな。実は訓練校に行けばお金をもらいながら学ぶことができたみたいで、
みんなそうしてたみたいけど自分はそういう知識がなくて(笑)だから、明日何食べようっていう日もあった。

【さ】 その時はまだ子どももいなかったしね。貧乏生活が楽しかったかな(笑)

【の】 そうだね、やりたいことをやっていたから、大変だとはあまり思わなかった。

【取】 いつかは親方みたいになりたいと思っていた・・・?

【の】 仕事の仕方はそうだね、でも『どんな仕事を取っていくか』はそれぞれの価値観があるからね。

 

「大工」にも様々な仕事スタイルがある。
「自分らしい仕事」をつくるまで。

 

【取】
自分の価値観で仕事をつくっていく。
周りに完全にお手本にできるという人がいない場合、どうやって仕事の方向性を決めてきましたか?

【の】
仕事仲間かな。応援に来てくれた大工仲間に「どうしよう?」って相談したりね。
でも独立したての頃は、仕事が来たら選ばずになんでも受けようというスタンスでした。今でもそうだけどね。
でも最近はありがたいことに、(仕事が)多くて手が回らないことまで増えて来たので、
自分がしたい仕事を選べるようになってきました。

【取】 そういう時は、どうやって選びますか?

【の】
仕事自身がおもしろそうというのもあるけれど、
この仕事はお施主さん(家主)と一緒に家をつくっていくお仕事だから、
やっぱりお施主さんが魅力的な人かというのも大きいです。

【取】 ちなみに、肩書きとしては『大工』ですね?

【の】 うん、そうだね。

【取】 私のイメージの『大工さん』は、その日現場に行って作業する専門という感じです。

【の】
今のメインはそうかもね。でも昔は、大工さんは頭の中で思い描いたものを家にしていたんだよね。
だから、大工が設計するのもお仕事の範疇だと思っています。現場で考えながらつくっていく。
それを抜いたら、設計図みながらプラモデル建てるみたいになってしまうから、
あんまり自分にとっては面白くないな・・・。

 


photo | 話しながらいただく、さやかさん特製「もらったサツマイモでつくったケーキ」が衝撃的に美味しい。

 

【取】 実際にどんな感じで家をつくるんですか?

【の】
自分の場合、図面は平面図で書くけれど、実際には現場を見ながらつくり変えていってます。
使う素材は決めておくけれど、実際にどう納めるかとか、素材の使い方は、
どうやったらお施主さんが満足してくれるかなとか、考えながらつくります。

【取】 そうなると、本当にお施主さんの思いを汲み取らないとできませんね。

【の】
そうだね、例えば『この部分は当初予定していたあの素材よりも、
こっちがいいかもしれない』と思った場合は、お施主さんに逐一確認しながら進めています。

【取】 本当に二人三脚。

【の】
そう。お施主さんと一緒につくることを大切にしてます。
つくる段階で思いを一緒にできると、住み始めてからも大切につかいたくなるでしょ?
まずは自分が家づくりを楽しむこと、そして、お施主さんの想いをカタチにしていくことが自分にとって大事です。

【さ】 うん、うまい。よくまとめたね(笑)

【の】 こういうの、あまり言葉にすることないからね・・・(照)

【取】 家づくりの予算が少ない時とか、困る時ありませんでした?

【の】
そういう時は、お施主さんにも手伝ってもらったりします。
竹切ってもらったり、地域の公民館潰した時にでてきた建具を持ってきてもらったりしてね。
そうやって一緒になってつくった家に遊びにいった時に、『とても気に入ってる』と言ってもらえると、
すごく嬉しい。

 


photo | のりとさんが関わった家、お施主さんが持って来た建具。

 

【取】 一緒につくるっていいですね。他にも、家づくりで意識していることありますか?

【の】
『空気の質』というのかな。
基本的に自分の家づくりは土と木だけでできているので、触っていて気持ちよくない素材は使いたくない。
自分にとっても気持ち良い家をつくりたいです。

【さ】 のりちゃん(のりとさんの愛称)はよく、『好きなことが仕事になってるから嬉しい』ってよく言うね。

【の】
そう、本当に。この仕事が好きなのは、すごく自由なところもあって。
自分でものをつくって、自分で責任を負うからね。
あとは、もう少し技術をつけたりして余力を残すことができたら、『考える時間』に割きたいな。
『これをつくりたい!』って思った時に、刺激をもらいに海外とかまで見にいったりね(笑)

【取】 いいですね、それ!・・・ちなみに、田舎で大工をすることの利点ってあります?

【の】
大工だと材料をたくさん持っていないといけなくて、
都会だとその場所を確保しようとしたら家賃が結構かかるけど、こちらはスペースがたくさんあるね。

 

◆ 木材ストック小屋(元牛舎)

◆  丘の上の作業場

photo | ご近所の方に2棟(上下)1万円で借りている作業場と木材ストック小屋。
仕事に使う木材は、人工乾燥ではなく天然乾燥のものを使うのが、親方から受け継いだ流儀。
乾燥の工程は場所代や手間もかかるので、製材所に頼んでいる工務店がほとんどだという。

 


photo |  作業場からは家が見える

 

結婚を機に変わる、地域とのお付き合い。

 

【取】少しお仕事から離れて地域での暮らしについて聞こうと思うのですが、ぶっちゃけどうですか?

【の】
こっちにきてからしばらくは結婚してなくて、苗字もばらばらでした。
でも、結婚してからは地域をのつながりがガラッと変わったね。

【取】
変わったというのは?

【の】
それまでは『いつ出て行くかわからない』というのが集落の人たちにもあったから個人個人はよくしてくれるけど、
「集落として」共同でする作業は地域の人も気を使って声をかけてこなかったんだよね。

 


photo |  昔、集落の行事「地蔵盆」が開かれたいたというお地蔵さん。この後ろが高橋家

 

【さ】
結婚もして、家も買ったら、『もうここに住み続けるだろう』という目で見てくれて、
「ありがたい」って思ってくれているみたい。

【取】 『こんなとこよう来たな』とか言われませんか?

【の・さ】 うん、今でも言われる(笑)

【取】そうですよね(笑)。丹波の中でも比較的田舎と言われる地域でしょうし。
『外からの移住者』も少なかったでしょうし、閉鎖的な感覚はなかったですか?

【の】 うん、あったのかな。
でも自分がこの家に住み始める時に、親方が塚原集落(※1)の方としっかりつないでくれたね。

※1 塚原集落: 高橋家がある集落。10世帯が暮らしている。

 

行事が多い田舎暮らし。共働きだと大変・・・?

 

【取】 暮らし始めてから困ったことはありますか?

【さ】 共働きで両親もいないから、子どもが病気になった時は困るかな。

【の】
あとは、行事が多いことかな。消防団とかで出て行かないといけない時、
地域の人はおじいちゃんおばあちゃんがいて子どもを見てくれる人がいるけど、うちはいないのでそこが大変かな。

【さ】
あとはPTAが大変かも。子どもが少ないとすぐに当番がまわってくる(笑)。
夫婦も別々だから、夫がしたら次は嫁みたいなね。

【取】 なるほど確かに。それは忙しい。

【の】
移住前の段階で、すべてを知りすぎたら来ないかもしれないね。
自分も草刈りとか、PTAとか全く知らなかったし。来てから段々馴染んでいく感じかな。
なので、そういうのも含めて暮らし方を自分でつくっていかないとね。

【さ】 うん、確かに移住をしてきてから受け身の姿勢だと、しんどいかもしれないね(笑)。

【の】 でも、意志さえあれば自由に自分の暮らしをつくっていける場所ではあるね。

 

 

親が暮らしを楽しんでいれば、
子どもは勝手に楽しみを見つけるもの。

 

【取】 それにしても、このあたりは子どもが少ないですね!(正直)

【さ】 そうですね、この子たちに一番年が近いのが25、6歳くらいだしね。

【取】 子育ての不安とかなかったですか?

【の】 うーん、自分たちも行き当たりばったりなとこあるからね(笑)。

【さ】
不安は全くなかったね(笑)。長女が生まれてちょっと大きくなった時に
地域の市島子育て学習センターにいったら同世代の子たちとも出会えたし。
子育てセンターが結構充実してたしね。

【の】 共働きでなかったのも大きかったかね。二人とも働いてたら送り迎えできなかったんじゃないかな。

【さ】 そうだね、一番近い友達の家で5キロ?7キロ?離れてるしね。

【の】
近くの友達だと、奥丹波ブルーベリー農場の古谷さん。
近くの親類みたいに親しくさせてもらってます。小学校も一緒だしね。

【取】
そっか、公道に出ないで細い道ではいけるけど、
距離もあるし自転車だとちょっと心配ですね。

 

 

【の】
うーん、そういう面では不便かもね。市内でも市営住宅とかであれば、
同世代の友達は多いかもしれないけど、こういう人里離れた場所は不便かな。

【取】 でも高橋家は不便を感じたことはないと?

【の】 そうだね、兄弟もいるから遊べるしね。

【取】
田舎子育てにおいて『同じような感覚を持った家族が近くにいる』って大事ですか?
例えば、ブルーベリー農場の古谷さんなど。

【の】
そうだね、とても大事だと思う。「移住者」という境遇も同じだしね。
こっちが小学校のお迎え行けない時は代わりに行ってくれたり、
他にも、「うちに帰ってきていいよ〜」っていう友達も結構いて、朝預けて送り迎えしてくれたり。

【取】 助け合いですね。

【さ】
そう。この家の周りだったら、子どもたちは野放しにしてても村の人の家でみかんもいで帰ってきたり、
田んぼ走り回ってたりとか、子どもたちにとっては、とってもいい環境だと思う。

 

 

【取】 家の周辺には『親』がたくさんいるって感じですね。

【さ】 そう、『昨日大きい声で泣いとったな、何があったんや?』とか、気にしてくれてるよね。

【の】 そうそう。もともと旧公民館だったこともあって、村の人から見えやすいところに建ってるしね。
洗濯物を中に取り込んでくれてたり、つい一昨日も(笑)。

【さ】 雨降ってきてたからね(笑)。なので、子どもたちの親である前に、私たちの親でもあるかもね。

 

 

【の】 人によっては(常に気にされてるのは)嫌かもね(笑)

【さ】
人によってはね。私たちはいいけど。
野菜が玄関にかかってたりとか、『新米とれたで〜』とか言って、ドーンと新米持ってきてくれたり。
この集落は大正解。みんな本当に親切にしてくれるね。

【取】 何かそうやってものをいただいた時は、すぐに何かしら返しますか?

【の】 いや、なにも返したことないんじゃないかな(笑)

【さ】
たまに、もらった野菜でつくったものを持ってたり、
ピザ焼いた時におすそ分けしにいったりするくらいかな・・・・

【の】 うん、10してもらって1返せてるくらい・・・(笑)

【取】 そうですか(笑)なんとなく、都会だと、すぐに返したがるじゃないですか。

【の】 あーそうだね、それやるとしんどいかもね(笑)

【さ】 こっちの人は、私たちが喜んでるのを見て喜んでくれる。だから素直に、ありがとうって伝えるのが大事。

 


photo |  取材中に、子どもたちにどこからか持ってこられた柿たち

 

丹波市内の高校は3つ。
子どもたちの将来について不安に思うことはありますか?

 

【の】 うん、まぁ、自分が好きにやってきたから好きにやってという感じかな。正直あまり考えてないです。

【取】 ここで育ったら、好きなことを選んでいける土台が築けそうですしね。

【の】
そうだね。親が好きなことをやっていたら、同じように楽しんで物事を進めていくんじゃないかな。
子どものためと言って自分がしんどい思いしていると、子どももしんどくなると思うしね。

【取】 なるほど。なんだか今日は大事なこと聞いた気がします。

【の・さ】 うん、またおいで〜今度はピザパーティーしようか。

【取】 それは嬉しい!また来ます!

 

—————————————————— 取材を振り返って ————————————————————-

スウェーデン語で「エンケル」という言葉があります。「普通でちょうど良い」 という意味だそうです。
高橋家の暮らしを垣間見て、すぐに浮かんできたのがこの言葉でした。
子育てについても、仕事の仕方についても、家についても、すべてが「無理なくちょうど良い」。
そして、実はこの「ちょうど良さ」を調整するために、ある種の不確定さをあえて残している。
最初から「完璧」をもとめるのではなく「余白」が残っていたからこそ、
高橋家の暮らしにはどこか肩の力を抜いたような、自然で気持ち良い雰囲気があるのでしょう。
お話を聞いていて、「楽しいことも」「大変なことも」どちらもありました。
どちらが多いや、少ないというのではなく、そのちょうど中間くらいをしなやかに歩んでいく。
そんな暮らしが、とても魅力的に感じました。

——————————————————- TURN WORDS ————————————————————-

◆ 「移住は結果論。やりたいことをやっていたら、引越しがあっただけ。」

◆ 「親が好きなことをやっていたら、(子どもも)同じように楽しんで物事を進めていくんじゃないかな。
子どものためと言って自分がしんどい思いしていると、子どももしんどくなると思うしね。」

◆ 「移住前の段階で、すべてを知りすぎたら来ないかもしれないね。
自分も、草刈りとかPTAとか全く知らなかったし。来てから段々馴染んでいく感じかな。
なので、そういうのも含めて暮らし方を自分でつくっていかないとね。」

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photo |  高橋家。住まいるバンク担当のミミさんも一緒にパシャリ

↓  後日の薪窯ピザパーティ! ↓

 

大髙建築
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