移住者インタビュー

Vol.76 / 2021.08.29

暮らし、仕事、遊びをマッチさせる。やりたいことに繋げていく。

高島哲さん

こちらの記事は自身も移住者である丹波市移住定住相談窓口メンバーが行なった先輩移住者のインタビューです。新型コロナウイルス感染拡大防止に配慮し、検温とマスク着用にてインタビューを行っておりますが、写真撮影時のみマスクをはずして撮影させて頂いています。

働き盛りの世代の方の中には、丹波市へ移り住む際に最も気になるのが仕事という方もおられます。今回のインタビューは、まさに転職のタイミングでご縁があり丹波市に移住して来られた高島哲さん。移住前に想像していた「イメージ通り」と「イメージと違った」ことについてお話を伺ってきました。

 

 

 

多忙な都市での仕事から、趣味をきっかけに選択した仕事へ

 

 

現在、丹波市のキャンプリゾート「森のひととき」でお勤めの高島さん。丹波市へ来る前までは、大学を卒業してお勤めになった大手設備メーカーで営業のお仕事をされていました。神戸・札幌・東京・大阪と都市を転々としてきたため、地方の仕事や暮らしに憧れのような気持ちもお持ちだったそうです。

 

都市部の忙しい仕事より、自然と近い場所で働くことに興味がありました。大阪にいた時に、たまたま友人と一緒にここにキャンプをしに来たことがあって。前職を辞めて新しい仕事を探していた時に「何か見たことがある名前だな」って目にとまりました。

 

ご自身が訪れたこともあり、また趣味のキャンプを仕事にできるのではと、問い合わせからトントン拍子に就職が決まり移住することに。前職を辞める時にも特に躊躇することは無かったと明るく話され、決断力のある方だなと感じました。職と住環境、大きな変化に戸惑いはなかったか聞いてみました。

 

元々施工関係の仕事をしていて。現在はキャンプ場での仕事で業種は違うところはあるんですけど、お客さんの相手をさせてもらったり、悪くなっているところを自分で考えて直してみたり。繋がってくる面はあると思います。

仕事の環境は都市部の時と本当に違っていて、自分が「やりたい」って言ったことも親身になって聞いてくれる人が多いんです。今までの会社内では上下関係だけでしたけど、ちゃんとプライベートの話もできたり、人の輪を感じられるところがいいなって。

 

 

地域の人柄を感じる。柔らかい関係でできる仕事の魅力。

 

前職の職場環境と現在の違いについてお話してくれた高島さん。それは都市部と地方の違いなのか、会社の気風の違いなのか?もう少し高島さんの実感値を聞いてみました。

 

そうですね、会社の大きさとかでルールの違いはあると思うんですが、やっぱり僕は丹波市の地域の人柄じゃないかなと思いますね。アットホームにみなさん優しく温かくしてくれて、会社自体もそういう空気がかなりありますよ。

こっちに来てから日常になったのですが50代〜60代くらいのおじさん達も仕事をどんどん任せてくれるし、フレンドリーに話せるし。硬い関係じゃなく柔らかい関係で仕事ができているように思ってます。今の仕事では、社内で話を通すだけで緊張する、みたいな事はないですよね。

 

 

仕事も大きな会社と違って全部やらないといけない。でもそれが僕にとっては楽しいんです。最近では自分から進んで営業をやりたいという話をして、売店で売る商品を選んでいく仕事もさせてもらえて。丹波市で生まれて丹波市で作られたものを売る事で、仕事なんですが職場外のコミュニティを広げていったりしても楽しいですよね。

先日、たまたま商工会でお話させてもらって「こんな商品があるよ」と紹介してもらったところへ飛び込みで行ったんです。まだ工場もできてなかったんですけど仕入れさせて欲しいんですと話をしたら、向こうも製品化を急いでくれたりして。

 

 

キャンプ場の仕事って、自分の中のイメージではコテージの壊れたところを直したり、掃除に行ったりするような感じでした。でも実際にやってみると建物も立てるし設備の保守点検もするし、自分たちで考えて全部やるという機会がすごくあって。今まで手を出してなかったジャンルもやらせてもらうので、日々自分自身の成長を感じています。

 

 

 

 

暮らしの変化とこれからしたいこと。自分の好きなことと暮らしをマッチさせる。

 

とても仕事の時間が充実しています、と楽しそうにお話してくれた高島さん。仕事以外にも実際に都市部から地方への暮らしに移行して感じた変化を、良い面も悪い面も含めて聞いてみました。

 

都市部にいたらすぐ近くに飲み屋さんがあったりして便利は便利でしたね。ただ無かったら無かったで別に困りませんし、都市部だと遊べる場所がお店だったりするんですけど、こっちだと逆に自然に目を向けられたりして仕事仲間と深く遊んだりする事も多いです。飲みに行こう、だけでなくみんなでBBQしよう、キャンプしようって。

 

 

仕事仲間とキャンプする事も結構あって、他の地方にキャンプに行ったりもします。自分のやりたいこと、好きなことに加えて、仕事にもマッチしているなって思います。人口が少なくてコミュニティが少ないとは思いますが、会社の仲間だけでも十分満たされていて、本当に今は仕事が楽しいです。

 

趣味と仕事と生活が重なり合う接点を見つけられたように感じる高島さん。それぞれ自分の好みで選んでいるからこそ、どの時間もそれぞれにとって良い影響を与えているんだなと感じさせられます。最後に、生活の面でも他に何かやりたいことがないか聞いてみました。

 

そうですね、古民家を買って改修したいと思っているんです。ここでやっていることを活かせますし、自分で好きなように住みたいなって。平家を改築したら好きなように使っていいよという話ももらっていて、自分でシャワーユニットを組み立てたりもしますし、コストを浮かしながら楽しくやっています。

天井をとって見せ梁にしたり、ロフトを作ったりもしたいなって。(施設管理長を見ながら)もちろん手伝ってもらいますけど(笑)

 

 

どれも楽しい、という気持ちがとても伝わってくる高島さんのお話。暮らしについても、仕事についても、自ら好きだと思うものを選択しているから「楽しめる」のかもしれないなと感じました。新しい事やはじめて取り組む事も全部できることが自分には楽しいと語る高島さんは、都市の暮らしより地方の暮らしの方がマッチしているかもしれないなと思わされるインタビューでした。

移住してきたばかりの高島さん、何だかとてもフレッシュな気持ちになるインタビューでした。全てを自分自身で選んでいるからこそこの笑顔だなあ。と感じながら、それこそが地方暮らしを成功させる秘訣だと思いました。条件や環境は置いておいて、自分の中にあるこれが好き、これがやりたい、を選ぶ基準に移住を決めるのも手かもしれませんね。