移住者インタビュー

Vol.83 / 2022.02.15

小学生からの夢を現実に。農業を仕事に選んで。

荒田 夢芽さん

こちらの記事は自身も移住者である丹波市移住定住相談窓口メンバーが行なった先輩移住者のインタビューです。新型コロナウイルス感染拡大防止に配慮し、検温とマスク着用にてインタビューを行っておりますが、写真撮影時のみマスクをはずして撮影させて頂いています。

丹波市の移住相談窓口に来られる移住希望者の方の中には、移住して農業を仕事にしたい、農業で独立したい、と考える方も多くおられます。今回インタビューをさせて頂いた荒田夢芽さんは兵庫県尼崎市で生まれ育ち、高校・大学を経て「丹波たかみ農場」という農家に就職されました。なんと小学校の時から農家を目指していた荒田さん。実際に農業の仕事をすることになったタイミングと、今についてお話をうかがってきました。

 

 

農家を志したのは小学生の時。丹波市に来たのはご縁からだった。

 

 

小学生の時から同じ夢を持ち続けていた、というのもすごい事だなと思います、きっかけは何だったのでしょうか?

 

小学校でミニトマトを栽培した時に、お父さんとお母さんが「美味しい」って言ってくれたんですね。それで自分育てる才能あるわ、ってことに気付きました(笑)

でも、生まれ育ったのは尼崎市で農業をしている人も周りにいなくて。やり方もわからないし、どうすんの?って言われて。高校は普通科に入ったんですが、やっぱり農業がしたくて。高校卒業後の進路について先生に相談したら加西市の農業大学校を紹介してもらったんです。

 

今の仕事をしに来るきっかけは、農業大学校の先生から「市役所に連絡してみて」とのことで丹波市の市役所に「いいところないですか?」って連絡して。それで「話だけでも聞いてみたら?」とたかみ農場を紹介して貰ったんです。面接の感覚がなかったから、ナチュラルにTシャツとジーパンで行ったんですが・・(笑)それで、最初は話だけ聞くのかと思ってたんですが「うちに来てくれる?」って高見さん(社長)が言ってくれて、後で履歴書みたいなのを書いて送りますねって言って。

 

ご自身で市役所に連絡して、紹介して貰った農家さんのところへ行って、とお話を聞いているととても主体的に行動しておられるなと感じる荒田さん。インタビューの時に高見社長の奥さんがいらっしゃって、「うちも従業員(特に正社員)を募集していたわけではなかったから若い女の子が来てびっくりした」とおっしゃっていました。大学を出て、もっといい職場もあるんじゃないか。力仕事もたくさんあるしすごく心配もあったそうですが「来てくれて3年経って、お米も持てるようになって、本当に感謝している」とお話していました。

 

 

実際に農業が「仕事」になって3年。日々の仕事について。

 

 

農家さんに出会うのも高見さんが始めてで、これまで働いたこともないし基準とするものがないからわからないけど、私のいるところはいい職場なんやなって思います。土日が基本お休みで、休日出勤した時は振替休日があるとか、休みがはっきりしているし、有休もあるし。私はそれが普通でいるけど、大学時代の他の子と話すると凄いんやなって思う。

 

もちろん草刈りもするし、女の子だからしなくていいっていうのはないですよ。体力のいる作業もアルバイトのおっちゃんたちと一緒にするし、女の子だから特別扱いされている感覚はないです。それでも辞めずにここにいられてるのは、高見さんとか、おじいちゃん達とコミュニケーションが取れてるからだと思う。

 

 

 

私は農業大学校を出ているから、農業の仕事や都市部との暮らしなどにギャップはそこまでなかったんですが、やっぱり農業大学校で勉強していることと仕事は違ってましたね。蓋を開けてみるとしんどかったですけど、感動やこれが農業かぁーって。

 

仕事でトラクターに乗ることもあり免許も持っているそうですが、元々機械を扱ったりするのが嫌いだと話す荒田さん。「仕事をする上で乗れるようになって今は乗っているけど、、うーん(笑)」と笑っていました。ですが、ネット販売を地域の事業者さんに手伝ってもらいながら頑張っていたりして「私は高見さんが苦手なことをやっていきたいなと思ってる」と、とても前向きでした。

 

荒田さんが更新している丹波たかみ農場のInstagramはこちら WEBサイトはこちら

 

 

結婚も含めて、これからの暮らしでイメージしていること。

 

 

今後、仕事以外に暮らしの面でも何かやっていきたいことはありますか?と質問したところ「結婚したいですねー」と荒田さん。

 

そうですね、結婚してこの丹波市に住んで、子どもを産んで。丹波市に住み続けたいと思ってます。

そして私はここでずっと働きたいと思っているんです。しっかり農家として利益をあげて、有給も手配してくれるのは本当にいいこと。いい農家さんのところに来られたなあ、運が良かったなあと思いますよ。人生の3分の2くらいの運を使っているのでは?なんて思ったりするくらい(笑)

 

お仕事としては人参・お米・黒豆・小豆を育てておられる「丹波たかみ農場」さん。ですが、農家さんとして自分たちで食べる分も作られています。そのお野菜が、ご家族にとても好評なのだとか。

 

実家に持って帰るので、美味しいと親が食べてくれるのは嬉しい。野菜をあげると「この野菜美味しい!どこで買えるの?」って聞かれるんです。でも、ほうれん草とかアスパラ、さといも、大根は100本とか植えられているんですが全部うちで食べる用。出荷するわけではないんです。ガチの家庭菜園やっている、って感じですね(笑)

 

 

小学生の頃に体験した「自分が育てたもので人に喜んでもらえる」ことを、農家としてしっかりと仕事にしている荒田さん。小さい頃の想いからぶれずに進んで来ていることも凄いですし、実際の仕事に入ってからも本当に地に足をつけて農業の仕事を頑張っておられるように感じるお話が印象的でした。まだ20代前半とお若い荒田さん。結婚や暮らしのことも含めて、荒田さんなら着実に自分の好きなことを形にしていきそうだなと感じるインタビューでした。

とてもフレッシュで未来に前向きな印象の荒田さんですが、仕事に関して地に足をつけて頑張って働いておられる姿は本当にしっかりとされているなと感じさせられました。自分の仕事や職場について、良いと思える選択ができていることを、荒田さんは「運が良かった」とおっしゃっていましたが、自分自身で努力して手繰り寄せているように見えました。今後の丹波市の農業を引っ張っていく存在になるかもしれません、これからもますます注目の方です。