河津貴司さん・あゆみさんご夫婦~感動を伝える映像制作事務所~
移住した経緯を教えてください
(貴司さん)
僕は元々丹波市春日地域の出身で、中学校までは丹波市内にいましたが高校と大学は奈良県に行ってました。卒業後丹波市にはたまに帰ってきてたんですが、基本的には市外で10年程暮らしていて、ちょうど京都に住んでいた時に妻と出会って2013年に結婚して、2015年に丹波市へ帰ってきました。
今は僕の実家に住んでいます。
(あゆみさん)
私は京都市左京区の出身で、夫とは違う高校だったんですが私も奈良県の高校へ進学して、その後専門学校を卒業後京都に戻りました。実は親同士が昔から顔見知りで、夫とは小さい頃から知り合いだったんですね。当初は会話するくらいで気にもなってなかったんですが、大人になってから出会って、今に至るという感じです(笑)
結婚すると決まった時点で、『結婚するんやったらいくわ』と思っていたので、結婚を機に丹波市へ来ました。
以前住んでいた場所と、仕事や生活での違いは何かありますか?
(貴司さん)
丹波市に帰ってくる前は、僕は仕事とかの都合で単身名古屋にいて、当初は妻と子どもが先に丹波市内に引っ越したんですよ(笑)
(あゆみさん)
ほんともう、当初は大変だったんですよ(笑)
知り合いが欲しくてサークル行ってみたり、なんとか自分で輪に入ろうと行動してましたね。以前までいた京都と比べると交通の便が悪くて、車の免許もなかったから途方に暮れてたんですが、友達が『買い物いくけど行く?』と連れていってくれたりして。
京都は初対面の人に割とよそよそしくて深入りしない関係性の人が多いんですが、こちらは「そんなことまで気にしてくれるんや」って思うくらい、色々LINEくれたり、子どもの事でアドバイスくれたり。
「こういうのいいな、丹波市の人って優しいな」って感じています。
(貴司さん)
昔は田舎が嫌で、早く出ていきたい一心でした。それが今こうして10年ぶりに帰ってきたら、人が無限にいるように感じる都市部とは違って出会い一つ一つに価値があるって感じられる気がして。それは丹波市の良さかなと、今になったら思いますね。
なぜ映像業を始めようと思ったんでしょう?
(貴司さん)
昔からパソコンを触るのが好きで、編集にずっと興味がありました。モーショングラフィックとかアニメーションとか。単純に趣味で、独学に近い形で触り始めて。やっていくうちに、友人が『俺と一緒に結婚式の動画撮ってくれ』と誘ってくれたんですよね。それに僕もカメラを買って付いて行ったのが始まりです。
なので最初はその友人とウェディング関係ばっかりやってました。今も一緒にやってるんですが、友人の主な仕事先が奈良とか大阪、京都あたりがメインで、さすがにずっと通い続けるのも大変になってきたんです。
それで「これからは丹波市内で暮らしの基盤を作っていこう」と思って、2023年5月に開業することにしました。
(あゆみさん)
私は出産がひと段落してから、車の免許を取って自分でも動けるようになった頃から働きたい欲が出てきて。ここ2,3年、会社員とか色々仕事してみたんですけど、どうにも飽き性で、一つのことを黙々とやるのが苦手で。「続けられない自分をやめたいな」を思いはじめた時に、夫が動画とかしてたんで、「私もなんかでけへんかな」って思ったのがきっかけですね。知人にWebの仕事とかカメラ教えてもらって。「こういう生き方もあるんや」って思って。
普段は夫とは別でライターとかweb関係の仕事をしてるんですが、案件によっては一緒にやったり、手伝ったりしている感じですね。
丹波市で起業する際に懸念していたことはありますか?
(貴司さん)
特になかったですね。起業に関しては前から丹波市商工会に相談してましたし、おかげでこれといった不安はなく開業できました。資金面も自宅兼事務所にしましたので機材代くらいで。その機材代が実際は底なし沼みたいなところがあるんですけど(笑)
スタートを切れる分はどうにか工面できましたね。
開業されてからここまで、ビジネスの状況はいかがですか?
(貴司さん)
とにかく今はまだ開業したてで、市内の需要がどこにあるのか、今後自分は何を主軸にするのかがはっきり見えていないところがあるので、クライアントの気持ちに寄り添うことを何より大事にしつつ、仕事の大小で線引きすることなく、色々な要望に応えて仕事させてもらってます。着物屋さんで振袖の写真を撮らせてもらったり、登録制のスクールフォトなんかもやりますし、ブライダル関係も引き続きやってます。
あとは丹波市で知り合った人たちと映像の広告、家族写真とか。開業したてですし、なんでもやらないといけないなと。
今のところ、案件的には丹波市内とそれ以外と半々くらいですかね。
起業してよかったこと、逆によくなかったことはありますか?
(貴司さん)
いいところは何より自分がしたいことができるってことですね。そもそも僕はこれまでサラリーマンをした事がないので経験からの比較はできないですが、自分がやりたいことだったり、自分が先頭にたって仕事をしていけるっていうのは楽しみの一つです。でも、逆に責任もあるし、その分大変だったりするんですけどね。なのでよくないこととしてはやはり収入が安定しないことですかね。
(あゆみさん)
子どもと過ごす時間との兼ね合いが難しいです。雇用されてた時は働く時間が何時から何時と区切られたけど、今は自分で区切りをつけないといけない。仕事スイッチを切り替えれず、子どもから『お母さん話ちゃんと聞いてよ!』と言われちゃったり。
子どもが私たちの働く姿を見て、カメラとかパソコンに興味もったり慣れてくれたりするのはいい刺激になっていいかなと思えたりしますが、仕事とプライベートの境目が曖昧になってしまうところを、もっと上手くやっていきたいなと。
将来の展望はどのようにお考えですか?
(貴司さん)
せっかく生まれ育った丹波市でやるってことなんで、都市部ではなく地元でやるからには丹波市の人に愛される、頼りにしてもらえる事業・仕事をしたいなと思っています。逆に、そうならないと存在し続けていけないのかなとも思ったり。
映像や写真といった仕事は、人の目に見えるものとして残る仕事なので、丹波市のいいものやいいところを市外やその先の世界に向けてアピールしていく。
そこに携われる仕事なので、自分も関わっていけたらいいなと思いますね。
起業を考えている人へのアドバイスをお願いします
(貴司さん)
それは僕らがほしいくらいですけど(笑)個人事業主は、手続き関係だけでいえば起業自体のハードルは本当に低いです。同じような業態でやりたいと思えば、機材があればできちゃう仕事なのかなと。
ただ、ほんとに大変なのはそこからで。
写真の仕事なんかは笑顔が撮れた瞬間とか、人の喜びを直接感じられる仕事で、人のうれしい瞬間とかそこに立ち会える仕事。
絶対に人と関わる仕事なので、魅力がそういうところにあって。こういった側面を楽しんでできる、喜びを感じられる人なら向いていると思いますね。
※この記事は2023年9月1日に取材した情報をもとに作成いたしました。
※今回、取材場所に旧神楽小学校『FOREST DOOR』のコワーキングスペースをお借りしました。
事業者名 | 河津映像製作事務所 |
代表者名 | 河津貴司 |
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