【起業インタビュー】コサカケーキカフェ

小坂裕子さん~丹波素材を活かした“美と健康のカフェ”を営むIターンママさん~

移住した経緯を教えてください。

私はもともと現在でいう養父市出身で、高校まで実家にいました。高校卒業後は神戸の大学に行って教員免許をとり、その後実家に帰ってきてから但馬の方で小学校の臨時講師をしていました。

その後、しばらくして小学校教員の採用試験に合格して、初めての赴任先となったのが丹波市だったんですね。それもあって、2006年に丹波市に移住することになったんです。職の都合で移住して、当初は一人暮らしでした。

なぜカフェを始めようと思ったんでしょう?

青垣町の小学校に勤めていた時、同僚だったとても尊敬する先生から息子さんを紹介してもらって、それで2011年に結婚することになったんです。結婚当初はアパートに住んでたんですが、その後『家を建てようか』という話になり、夫の実家近くに建てて今も住んでいます。

私の中で「自分の子どもは自分で育てたい」という思いがあったんですが、育休中に色々考えて、やはり教職だとそれは難しいなと思っていたんです。そんな時に、友達からリンゴケーキのレシピを教えてもらったのをきっかけに、素朴さや滋味深さ、おまけに無添加だし、その味わいにすっかりはまってしまって。

先生一族のような家系で育ったので、仕事としては教員を選択したんですが、「お菓子作ったりカフェがしたい」というのはもっと小さい時から思ってたんですね。それで、身近な人以外にも、もっと多くの人に食べてもらいたいという気持ちも沸いてきて、思い切って先生を辞めて、子どもを見ながらできる形ということで、2019年に自宅に工房を設けてまずはリンゴケーキ専門店を始めたというのがスタートになります。

以前住んでいた養父市と、仕事や生活での違いは何かありますか?

実家は割と、養父市の中では便利な場所で、すぐ近くにエディオンとかマックスバリューとか、そういったお店が集まるショッピングタウンがあるようなところに住んでましたので、今とそんなに大きな違いを感じないですね。雪の量ぐらいですかね。

でも、やはり丹波市にきて、この場所はいいなと思うのは、丹波の森公苑とか年輪の里とか、ちょっと大きめの、ちゃんと整備された公園とか、そういう場所があるっていうのは地元の方はないので、それはいいとこだなと思っています。

丹波市で起業する際に懸念していたことはありますか?

自分自身もですけど、周囲に商売したことのある人が一切いなくて、経営ってどういう風にするのか、仕入れや売上の管理ってどうやるのかとか、そういうのが全くわからない状態なのにとりあえず勢いよく始めた感じだったので、その面ではだいぶ不安がありましたね。

当初の資金繰りはどうされましたか?

借入れはしたくなかったので、貯蓄を切り崩す感じでしたね。でも、商工会の方に教えてもらった県の創業支援助成金に応募して、開業資金の一部を出してもらえるものに採択されたので、そういうのはすごくありがたかったです。

起業する際、具体的な手続きについては誰かに相談されましたか?

商工会ですね。加入する前に、県民局がやっている女性のためのスキルアップセミナーを受講してたんですよ。そこで色んな話を聞く中で、商工会の存在を知ったんです。経営の相談とか、確定申告のやり方とかも全部一から教えてもらいましたね。

屋号の由来は何でしょう?

名前をつける時に、色々どうしようかなと考えたんですけどやっぱり、1回で覚えられること、誰でも読めること、あと自分の名前は入れたいかなと。そうなったらもう「コサカケーキ」しかないんちゃうかな?といった感じで決まりました。

ちなみに最初リンゴケーキ専門店にしたのは、当時調べた限りでは近くになかったので、私でも入っていける余地があるかもしれないと思ったんですよね。その後、2024年11月から地元野菜をメインに使った、美と健康のためのランチを提供するカフェをしようと、たんば黎明館で始めたところから「コサカケーキカフェ」にしました。

開業されてからここまで、ビジネスの状況はいかがですか?

当初のリンゴケーキ専門店は、イベント出店と完全予約販売、あと途中からネット販売をやり始めました。でもしばらくして、子どもたちの関係で毎日のように付き添い登校が必要になってしまい、お客さんの都合に合わせられなくなってきて、予約販売が難しくなったんです。

「自分のペースで製造できるように」と考え、主にJA直売所に置いてもらう形で製造していたんですが、そこでじわじわとケーキのファンの方ができました。そして2024年になり、将来的にカフェがしたいと思っていたので、次の展開を模索し始めたんです。色んなご縁が重なって、2024年11月からたんば黎明館で始めることができました。

でも、子どもの状態が良くならず、「これは何年も続けていけないな」と思ったんです。本当は3年、4年ぐらいさせてもらって、そこから家の近くでどこかでやろうかなとは思っていたんですけど、少し早めて、自宅の前にコンテナを置いて2026年5月に新たに店をオープンしました。

今は以前よりメニューを増やして大変ですが、子どもの様子をすぐ見にいけるし、近いって素晴らしいです。以前からお客様の大半が女性かつリピーターさんで、席数が18席と少ない事もありますが、ありがたいことにオープンから満席が続いています。

私は塩素の匂いが苦手で、水道水を使うことに抵抗があったので、自宅でも取り入れているミネラル水を料理にも使うようにし、これから美と健康のために色んなものを取り入れてやっていきたいと思っています。

起業してよかったこと、逆によくなかったことはありますか?

教育現場の仕事はいつ成果が出るか、何をすることが正解かが不明瞭なところが多かったんですが、今の仕事は直接お客さんに届けられるし、即座に反応をもらえるしで、喜んでもらえている実感ができるのはいいですね。元々、自分はお菓子や料理を作るのが好きですし、自分の好きなことに直結しているのもやりがいを感じます。

逆によくなかったことで言うと、やっぱり経済的に不安定なことですよね。いい時もあれば悪い時もある。飲食店あるあるなのかもしれないですけど、お客さんが沢山こられると見込んで、沢山仕込んだ時ほど余ってしまったりとか。まだまだ難しいところです。

将来の展望はどのようにお考えですか?

まずは今のお客さん一人ひとりを大事に、美味しい、居心地がいいと思ってもらうカフェ作りを目指すことですね。飲食店はどうしても仕込みが大変ですので、ゆくゆくは丹波のブランドを活かして、お菓子やお土産ものの製造ができる仕組みもできたらいいなと思います。

将来的には、もし子どもたちが望むなら「カフェを一緒にできるといいなあ」と思ったりしています。子どもたちが好きな犬と結びつけてドッグカフェをやるのもいいですし、色んな夢を抱きつつ、それに向かって土台作りを、自分にできる範疇から進めていけたらなと思っています。

これから起業しようと思ってる人に対してのアドバイスをお願いします。

自分にも言い聞かせるようなことですが、やはり今、お菓子屋さんやケーキ屋さんは沢山あるので、よっぽど美味しいとか、この店にしかないとか、独自性を確立できないと他に埋もれてしまいますよね。食べてくれる人のことを一番に考えながら、普段家では食べないようなものを提供するとかはやはり意識しますね。

私としては、カフェはやはり日々の疲れが癒される、いつまでもゆっくりしたいと思えるような居心地の良さだけでなく、やはり美味しいかどうかは大事だと最近痛感するんです。美味しさってどうしても主観的なので、身近な人だけでなく、公平に判断してくれる人に食べてもらったりしながら、改良していくことも大事だなと思っています。

 

※この記事は2026年6月15日に取材した情報をもとに作成いたしました。

 

 

 

事業者名  コサカケーキカフェ
代表者名  小坂裕子
Instagram  https://www.instagram.com/kosakacake/
営業日  詳しくは上記instagramでご確認ください。