INAC神戸の為に建てたサッカー場から、女子サッカーの聖地化を目指す
アスコザパーク丹波
- 宿泊業
山々に囲まれたサッカーグラウンド、気持ちよく広がる青空。丹波市北東部の市島町与戸で、2006年4月に出来たサッカー場兼宿泊施設があります。今回はそのアスコザパーク丹波に取材しにいってきました。
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◆関西圏や全国規模の大会を支える大型宿泊施設
◆某有名女子サッカー選手も利用していた!建設の経緯
◆女子サッカーの聖地化を目指す、同志を募集中
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今回は、副支配人の北山優樹さんにお話を伺ってきました。
関西圏や全国規模の大会を支える大型宿泊施設
北山さんはこれまで何度か森のひとときで取材させていただきましたが、アスコザパークに異動されたんですね。
そうなんですよ。異動といってもまだ森のひとときにも行き来してます。
アスコザパークはここ2年間、コロナウイルスの影響をもろに受けまして、実質営業が止まっていました。でも前に進めていこうということで2022年3月に一部リニューアルを施し、私が責任者として運営していくことになりました。
なるほど、そうだったんですね。ではまず、アスコザパークはどういった施設なんでしょう?
サッカーグラウンドと合宿用の宿泊棟、あとは普通に泊まっていただけるホテル仕様の部屋があります。
サッカーに限らず、野球とか大きな大会規模になってきますと、丹波市内にそれほど大人数が宿泊できる場所がないんですね。特に、女子野球の時が顕著でして。泊まる場所が少ないからということで、福知山市とか丹波篠山方面、遠い場合は舞鶴方面までいって泊まっていらっしゃったりする程です。
丹波市ってスポーツの大会なんかをするにあたって利便性がいいってよく言われますね。
福井県とかあっち方面からもアクセスがいいし、京阪神からもアクセスがいいし。甲子園が兵庫県にあるのも同じような理由ですよね。日本の真ん中で全国から集まりやすいっていう視点で。スポーツの観点からだと、丹波市はかなり需要が高いです。
なるほど。アスコザパークは合宿する時等、最大の宿泊人数はどれくらいですか?
今はコロナウイルスの関係でキャパを減らしているんですが、宿泊棟が2棟ありまして、一棟あたり80人なので最大160人まで泊まれます。ちなみに平常時は最大240人まで泊まれるようになります。
またホテル棟は部屋が16部屋あって、ツインルームになってるのでそちらは最大32人です。
リニューアル後も蔓延防止の延長でキャンセルが出たりと厳しかったんですが、周りは動きかけてはいるので、これからどうなるかですね。
宿泊される方はどの辺から来られる方が多いですか?
やっぱり関西圏が主になりますね。でも、一番遠いところからだと北海道からも一チーム来られましたね。
えぇ?!さすがに遠すぎる気がするんですが、どういった事情だったのか気になりますね(笑)
なんか最初九州の方行かれて、次にこちらへ来てって話でしたので、遠征だったんですかね。
ああ~、あちこち巡業的に回って行くっていう。そういう需要ってありそうですねえ確かに。
昔の宿泊データを見てますと、関東からも案外多かったみたいですね。前橋とか埼玉とか、関東方面のチーム名もありました。
自分たちで大会を主催できるといいんですが、まだちょっと力不足でして。最近外部の人が主催した大会としては伊丹FCさんが開催したりとか。なので事業としては、主にそういった大会利用等でサッカー場と宿泊施設を利用してもらって、あとは平日のグランド利用ですね。
地元の自治会が行うグランドゴルフとか、夕方から近隣の学校がクラブの練習場として使ってもらったりとか。福知山市の高校にも使ってもらってました。
私自身、自宅がある柏原町で今、自治会長をしているんですが、もうやっぱりコロナウイルスを理由にいつまでも停滞してる訳にはいかないということで、今年は色々な行事もやる方向で進めています。世間でも同じような感じですよね。
某有名女子サッカー選手も利用していた!建設の経緯
ちなみに、アスコザパークはどういった経緯で出来たんでしょう?
元々はうちの会社が一から作った場所で、森のひとときはエルムいちじまという生協さんが運営するキャンプ場の跡地を利用する流れでつくりました。
ここの流れとしては、サッカー場を女子サッカーのINAC(アイナック)神戸の為につくったんですよ。
え~!?そうだったんですね!
INAC神戸はうちの系列グループなんですよ。
ここで他のサッカー関係の宿泊を受けている間に、キャパが超えてきてしまって。近くで大勢の宿泊を受け入れられるところがないかと思っていたところに、ほんと偶然キャンプ場が空いて。キャンプ場という体裁で泊めるところを確保して、借り上げしてうちが入って。
結果的に今はキャンプ場の方がブームに乗って伸びましたけどね。
宿泊施設がほしくて、森のひとときだったんですね。
そうなんです、当初の気持ちとしては、どちらかというとあちらがおまけだったんですよね。世の中、どうなるかわからないですよねほんと。
そうだったんですね。アスコザパークが出来たのはいつですか?
2006年の4月なので、もう16年前ですね。
2011年あたりは大きく動いた年で、当時女子サッカーの澤穂希さんとか有名な選手が沢山来てて、ホームグラウンド的に使っていただいてたのがこの辺の年なんですね。ちょうど澤さんがINAC神戸に移籍して、FIFA 女子ワールドカップで優勝したのもこの年です。
その時は丹波市の市島町にも女子サッカーの地元チームがあって、そことも交流があったみたいです。
通常的にここをサッカー中心に利用してもらっていたんですが、冒頭で述べた通りコロナウイルスの影響で2年間ほど営業がうまくできなかったんですね。去年一年間はほんと全くなかったというほどで。
コロナウイルスの影響とはいえ、いつまでも閉鎖している訳にもいかないので、今年の3月にリニューアルオープンすることになったという経緯です。
女子サッカーの聖地化を目指す、同志を募集中
北山さんが考える、アスコザパーク運営の今後の理想像はどういった感じでしょう?
やっぱり、元々本社がINAC神戸を持っているので、女子サッカーに力をいれていきたいですね。
2022年2月からINAC神戸のアカデミー統括に越智健一郎さんという方が来られたんですが、越智さんは京都精華学園高等学校で女子サッカーの監督とかをされていて顔が広いので、出来れば今後地元の女子サッカーチームを創設してみたいですね。
あとはスポーツにおける女子関連の需要喚起ですね。丹波市は以前から女子野球の聖地だったりしますので、女子サッカーにおいても聖地と言われてみたいですね。
今はどうしても大きな大会となれば神戸へ流れていってしまうんですが、それくらいの勢いでいきたいっていうのが目標ですね。
世間的には女子サッカーは澤さん以降あまり目立たなくなってきた印象がありますので、こちらから働きかけていく必要がありそうです。
そうですね。なので越智さんとは色々打ち合わせして、アドバイスいただいてます。
少子高齢化や学校の統廃合、部活動の不成立といったご時世はあれど、近隣でいえば伊丹FCさんでは2022年4月からオンダノーヴァという中学生女子専用チームが創設されたりといった動きもあります。女子サッカーを盛り上げつつ、大会なんかが今後できるといいなと。
結局、女子サッカー全体で見ると、2011年のワールドカップ優勝から緩やかに下火になっている印象がありますので、そこを盛り上げていければいいですね。逆にねらい目だと思っています。兵庫県は全国から集まりやすい場所ですし。
今、アスコザパークでは何人働いているんでしょう?
今は社員が実質3人ですね。私と、調理担当と、フロントサイドと。3人では永続的に回していくのが難しくて人材募集中です。
料理なんかはバイキング形式なので意外となんとでもなるんですが、アレルギー対応等があると一気に大変になりますね。
(モーニングバイキング盛り付けの一例)
(ディナーバイキング盛り付けの一例)
ここもキャンプ場も、言ってしまえばホテル業、宿泊業なので、ノウハウ的な部分では似通っています。でも、こちらはやはりサッカーに関する知識や経験、スポーツやアスリートに関する食・健康の知識なんかが欲しいところです。
できたら管理栄養士みたいな人がきてくれたら嬉しいですね。今の調理担当も頑張ってくれていますが、元々和食専門の方なんですね。
なのでアレルギー対応もそうですけど、僕ら自身もそこまで専門的に詳しい訳ではないのでスポーツ関係、体づくりにいい特化した料理とか出せるようにしたいです。
サッカー、スポーツという側面から見ると今のスタッフは全員はじめてのことなので、ほんとゼロベースでやってて、毎日試行錯誤してます。
こないだ、人生で初めてゴールネット替えたんですが、結構大変でした(苦笑)
こういう人に来てほしいっていう人物像はありますか?
とにかく僕よりもサッカー知ってる人、好きな人ですね!ゴールネットを揺らす側から、ゴールネットを張り替える側になりたい人!(笑)
一同(笑)
これはもう素直に(笑)経験者は嬉しいですね。
サッカーの専門用語とか調べればわかるんですけど、実際サッカーの試合をしてみるとこういう時にこういうことが起こるからこういう設備が欲しいといった、具体的な改善案が出てくると思うんですよね、経験者だと。
色んな施設で合宿してたからこそ、うちにはこれが足りていないとか、こういう食事内容がいいとか、そういうのをもってきてくれると嬉しいですね。
僕らみたいにゼロベースでやっていくのもいいんでしょうけど、やっぱり実際に仕事としてみると補いきれない部分も出てくるのかなと思いますので。
あとキャンプ場でも一緒ですけど、自分で考えて、自分で動ける人材がいいですね。あちらも自由にやってもらってますし、自身の考えをぶつけに、チャレンジしたい方に来ていただければと思います。
自分で考えたことをやってみて、うまくいけばそれでいいし、失敗したらそれを次の糧にしてもらえればいいと思いながら運営してます。
北山さんが人材育成の面で気をつけていることや、大事にしていることはありますか?
何よりその人のやる気を阻害したくないですね。
自分が思ったこと、「こういうことをやりたい」っていう声が上がればまずは賛同します。最初から否定するとやっぱりやる気なくなるじゃないですか。僕だってそうです。なので実際にやってみさせるか、一緒にやってみて、うまくいかなかったら次どうするか考えてっていう繰り返しですよねほんと。
相手の気持ちを大切にしてあげたいなと、思いますね。僕はあれこれ、わーわー言うつもりがないので。指示されたことだけを粛々とこなすのではなく、あれこれ持ち込んできてもらえるのを期待してます。
ご興味ある方は是非ご一報ください。
よくわかりました。ありがとうございました!
女子サッカーの聖地化を目指す。なかなか一筋縄ではいかないことでしょうが、兵庫県であること、兵庫県の真ん中であることも活かし、チャレンジできる環境が揃った職場じゃないかと感じました。アスリートを支える側にご興味ある方は是非、お問い合わせしてみてください。
※この記事は2022年4月20日に取材した情報をもとに作成いたしました。
事業者名 | アスコザパーク丹波(株式会社エイチアンドアールコーポレーション) |
代表者名 | 文弘宣 |
〒 | 669-4335 |
所在地 | 兵庫県丹波市市島町与戸字長者ヶ谷3114 |
電話番号 | 0795-85-6066 |
webサイト | https://www.asco-tanba.jp/ |