里山ようちえんのあれこれ
こんにちは~。井口です。
今月は年度末ということで非常にバタバタしております。
何もかもが全然終わらないし進まないしという感じでございます。
一年で一番嫌いなんですよねこの時期が。忙しいし寒いし笑
先週末、うちの子どもも通っている、丹波市山南町谷川の、里山ようちえん“ふえっこ”の親子組修了式だったのでカメラマンしに。
この日はみんなで野菜を収穫してきて味噌汁作ってお昼ご飯食べて、修了式。
「里山ようちえんてどうなの?」
よく「里山ようちえんてどうなの?」と聞かれます。
それは、「子どもにとって普通の幼稚園に通わせるよりいいの?」という意味なんでしょうが、普通の幼稚園に通わせてないのでよくわかりません笑
また、里山ようちえん自体、全国的にまだそんなに歴史がない為、里山ようちえんの子達と普通の幼稚園の子と比べてどう違うか、どっちがどういいかなんてまだわからないと思います(海外では歴史も事例もあるんでしょうが)。
また、「里山ようちえんってどういうことするの?」という意味だったら、里山を舞台に、子どもや親達(実際はほぼママさん達)がやりたいことを提案して実施するのをベースに、みんなで遠足で山に登りにいったり、山へ山菜採りにいったり、季節の仕込み物(味噌、梅シロップ、紫蘇ジュース等)、自分達で用意した運動会をしたり等々。
雨の日でも、子ども達は外で遊びたいと思えばガンガン遊びに出ます。
「里山ようちえんは自然に近いので危険が多いんじゃないですか?」
「自然に近いので危険が多いんじゃないですか?」と心配になるというお話もよく聞きます。
逆に、「自然に近くなかったら危険がないんですか?」と問い返したくなるお話でもあったりしますが、どこにでも危険はありますよね。
個人的には、里山は危険も沢山あるから魅力的だと思っています。
子どもに降りかかる危険を親が代わりに回避してあげ続けて、その先一体どのタイミングで本人が自分で危険を回避できるようになるんでしょう?
世間一般的なイメージとして、小学校、中学校、高校とあがるに連れて、親が子どもの一切に介入できる余地がなくなっていく印象があります。
いつまでも親が子どもの面倒を見れるものではない、いつかは必ず親の手を離れていく瞬間がくる、その瞬間までに親としては子どもが自分で色んなことを自分でできるようになっていて欲しいと願う。
もし、そう思われるなら、じゃあ、この話は遅かれ早かれの話なので、早いうちに自分で危険な目に遭って、危険を回避しようと思い、危険を回避出来る子になってくれたらいいなというのが、一端の個人的な結論です。
そういいつつ、子供らが危険な目に遭いそうになれば、ここの里山ようちえんでは保育士さんたちが割と早めのカバー(個人的感覚値比較)をしてくれます。
死なない、後遺症が遺る程のケガじゃない、全治○ヶ月みたいな重症じゃない、軽度な失敗を沢山してもらいたいなと思っています(し、毎日何かしらのケガとかして帰ってきます笑)。
そう、思い続けてきて、最近はケガをしてくる機会が大きく減ったように思います。回避する力が身についたのかなと思います。
「里山ようちえんの子ども達は自由にさせててケンカになりませんか?」
「里山ようちえんの子ども達はそれだけ自由にさせててケンカになったりしませんか?」みたいなことも耳にします。
これも逆に「普通の幼稚園に通う子らはケンカしないんですか?」と聞きたいんですが(僕は普通の幼稚園に通いながらびっくりするくらいケンカしてました笑)、やっぱりたまにケンカもするそうです。
子ども達はケンカが起こると、皆が遊ぶ手を止め見守り、収束させるように働きかけるんだとか。そこら辺の見て見ぬフリをする大人より大人だなと思いました。
ケンカって、起こらないにこしたことはないと思われるかもしれませんが、個人的には子どものうちに、できるだけ小さいうちにケンカはそれなりにしておくべきだなと思っています。
自分も中学くらいまではそれなりに人とケンカしてきて、途中で気づいたんですよね。「殴る方も痛いやんけ」と笑
殴られる方も痛い、殴る方も痛い、誰も得しない。そこまでの経験があって、ケンカはやめようという結論が自発的に起きたんですが、これは体験がないとなかなか理解できないように思っています。
子どもが誰かを棒で叩いたとして、それがどれくらい痛いことか、自分がその目にあっていないと想像ができないといいますか。
想像がつかないと、自分がどれだけのことをしたか、事の重大さがわからないですよね。
子どもの頃は、相手に致命傷を負わせることがあまり考えられないので、些細なケンカは、小さいうちにある方がいいと、個人的には思っています。
「里山ようちえんに通わせててどんな成長があった?」
「里山ようちえんに通わせててどんな成長があったか?」みたいなこともよく聞かれます。
成長というのは、本質的には“変化”であり、それをポジティブな側面から観た事象を成長と呼ぶのだと思いますが、ここまでに起こった変化としては以下。
◆危険回避能力があがった(ケガして帰ってくる機会が少なくなった)
◆虫の類い(カエル等)への、過剰な嫌悪的拒絶感が減った(虫全部嫌いみたいなことがなくなった)
◆そこらへんに生えてる“食べられると教えてもらってわかっている”野草をとって食べるようになった(野人みたいです笑)
◆体力が底なし(もう一日一緒に遊んであげられないくらい体力がついている)
◆体幹がやたら強い気がする(そこらへんの公園にある平行棒みたいなものを歩いていてもバランスが崩れない)
◆家の中より家の外で遊ぶことが大好き(以前は泥んこ遊びとか大嫌いだった)
◆朝から晩まで起きてる間ずっと「腹減った何か食べたい」と言うようになった(カロリー消費しすぎ笑)
◆親との会話に機転をきかせてくる節をよく感じるようになった(文句ばっかりいってる時期があり、「文句あるなら自分でやって」と言えば「文句じゃありません意見です」と言われぐぅの音もでなくなった笑)
◆弟に対し、緩やかに優しくなってきた(最初はすさまじく風当たりが強かった笑)
等々
総じて日々、全力で考えて、全力で遊んで、全力で食べて、全力で寝て。
これらのことを、「子どもを伸び伸びと育てる」と言えるのであれば、ここにはそういう環境があるのかもしれません。
ただ、傍から見ている限り実は変化が大きいのは、子どもよりも親側(特にママさん)な気がしています。
こうしてたまにカメラマンしているから余計に思うところがあるんですが、親(ママさん)たちがいい顔してはるなあと思うんですよね。余裕があるというか。
これまで観てきたことのある、保護者会的な場面であるとかでは見かけなかった光景だなと。
里山ようちえんに子どもを通わせることを通じて、親も沢山の刺激を受け、変化する。よりおおらかに、より柔軟に、より自発的に。
よくよく考えたら、子ども達にこうしろああしろって言おうと思えば、自分ができていないと説得力がないから、というのも、影響しているのかもしれませんねえ。
「小学校以降、里山ようちえんの子らは馴染めるのかしら?」
これに関しては意見が分かれるところ。
里山ようちえんに通っていても、小学校以降は里山ではない普通の学校。ギャップの違いに苦しむ子もでてくるかもしれません。うちの野生児も苦しむかもしれません笑
小学校に上がる前にちょこちょこ普通の幼稚園に通わせるご家庭もあったりします。
子どもとよく話して、決めてあげればいいんじゃないかなと思いますね。
ちょっと余談ですが、我々が子どもの頃というのは、学校が変わるとそれまでの友達とはほぼ本当のお別れになってしまったりしました。
今みたいに携帯電話もなかったし、パソコンもない。連絡をとろうと思えば、家の電話か手紙か。選択肢が本当に限られていました。
しかし、今となってはほぼすべからくスマホを持ち、遠く離れた親とも日々Lineしたり。海外でもテレビ電話できたり。
遠く離ればなれになっても、いくらでも連絡がつけられてしまう。連絡をつける気さえあれば。
会う気があれば、いくらでも会える。その、気持ちさえあれば。
里山ようちえんに通わせている間に、仲がよかったお友達が大阪に引っ越すことになり、子どもが泣き叫んだ日がありました。
でも、まとまった休みの日に連絡をとり、一緒に遊ぶことができてから、それ以降、お別れの場面で泣く気配がもうありません笑
その気さえあれば、いつでも会える、いつでも連絡がとれることが、本人もわかったんでしょうね。
仲のいい友達と離れてしまうことが、もうネックにはならない時代になったんじゃないかなと、思ったりします。
もちろん、一緒に居れる時間がある方がいい、でも、そこまでの大きなネックにはならない。
馴染んだ友達が、住んでいる地域以外にも、あちこちに友達が居る。
その方が、人生に深みを与えてくれるような時代になったんじゃないかなと、思ったりしますね。
以上、そんなこんな。里山ようちえんについてでした。
ご興味がある方は問い合わせてみてください。
NPO法人丹(まごころ)のたね
里山ようちえん「ふえっこ」
〒669-3131
兵庫県丹波市山南町谷川2787-1
https://www.facebook.com/magocoronotane/
magocorono.tane@gmail.com
では。
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たんば”移充”テラス「Turn Wave」
裏方担当 井口元(37)
~プロフィール~
大阪市生まれ吹田市育ち。
ひょんなことから2012年12月に丹波市へお引っ越し。
株式会社ニュービレッジ計画発起人。二児(4歳娘、2歳息子)の父。
~最近の一コマ~
やること多すぎてブログに現実逃避してたら長文に。あかんあかん。
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