|開催レポート|たんば”移充”計画 交流会「竹林整備マスターになろう!」
「たんば”移充”計画」では、丹波市へ移住された方が地域に根付いてより豊かな暮らしをしていただくために、移住者と地域の方との交流会を実施しています。
今年度5回目のたんば”移充”計画 交流会は、2020年2月16日雨の降るなか丹波市市島町、民家の裏手にある竹林で行いました。
竹林整備の仕方がわからないという地元のご家族。同じ悩みを抱える丹波市への移住者とともに、専門家から竹林整備の方法を学び実践しました。
講師は野遊び研究家、山崎春人さん
たんば“移充”計画ではお馴染みのマリオさんこと、山崎春人さんを講師にお招きしました。
ご自身も自宅の山を管理されていて、様々な木々や植物を自在に増やしたり残したりいらない分は伐採し薪にしたり。
木や竹林の整備はお手のもの!山の楽しみ方、自然の危険さを熟知しています。
今回も切り方や倒し方などの技法だけでなく、放棄竹林が増えている理由など豊富な知識もお話いただきました。
地元の方にとっては草刈りや溝掃除などと同様大変なイメージが強い竹林整備ですが、
マリオさんが講師ということで「楽しそう!」と参加希望される方がいるほど。
何よりマリオさんが山が大好きなのが伝わるくらい楽しそうにお話してくださいます。
なんと20年前にマリオさんの教え子だったという岡山県の女性も参加されました!
必要な道具はこれだけ!
・軍手
・ノコ
・ナタ
・ヘルメット
※今回、木の駅プロジェクトから阪口明美協力隊に参加いただき、ヘルメット等の備品調達やイベントの共同開催をしていただきました。ありがとうございました!
・ロープ
・滑車
(・チェーンソー)※危険なため今回は講師スタッフのみ使用する予定でしたが出番なく終了!
農家であればノコ、ナタは持っている方が多いみたいですね。
その他、ロープや滑車も2,000〜3,000円もあればホームセンターで揃います。
当日は雨で竹がすごく滑りやすくなっていたので軍手は必須!
滑りにくいゴム製のもの、大きすぎない手に合ったサイズを選ぶのがおすすめです。
ロープと滑車がいるって意外だと思った方が多いのでは?
倒したい方向や倒れるスピードを調整するのに必要なんです!
油断していて足の上に竹が落ち指を骨折した方もいるそうです。
ちょっとした一手間が安全を守る、これ大事ですね〜!
丁寧に1つずつレクチャー!
すでに自宅の竹林整備してるよという方や、初めて山に入りますという方など。
基礎的なことから事細かに説明。竹林整備マスターになるべく、みなさん真剣です!
1.ロープをくくりつける
まずは、切りたい竹にロープをくくりつけます。
結び方は引けば引くほど強く締まるのに簡単に解ける「もやい結び」。
結び方を教わるなんてちょうちょう結び以来かも!簡単なようで難しい。
みなさんで交代しながら練習を繰り返すも、なかなか習得できず。
終わってからも補講が行われました(笑)
ロープを高い位置にくくるために、先が二股になっている枝や
竹の枝を少し残して二股にしたものを使います。
竹を倒したい方向のななめにある竹を経由し、倒したい方向までロープを引っ張ります。
倒す方向に他の竹や木に引っかからないか、障害物はないか、人がいないかなど確認。
2.受け口、追い口を切る
次に、倒したい方向に受け口を切ります。
節と平行に3分の1までノコで切ったら、30度くらい角度をつけて上から斜めに切り落とします。
反対側から3分の2ほどノコで追い口を切る。
切る位置は節のすぐ上にすると水が貯まらず、夏場にボウフラが湧いたりするのを防げるそう!
竹林整備するのも冬がおすすめなんだとか。
3.ロ-プを引っ張り竹を倒す
自然に竹が傾き始めるので、倒したい方向にロープを引っ張る。
4.同じ長さに切り揃える
倒れた竹はさすがに重く長くて邪魔になる。
1本見本を作ったらそれに合わせ、ノコで切り揃えます。
5.枝打ち
意外と面倒なのが枝打ち。
ナタで枝の下から何度かたたき、今度は上からナタの背でたたくと切れます。
慣れた人でもナタで手を切るのはよくあるそう。
手に向かって切らないこと、手の方に振る時はナタの背にするのがポイントです。
切れた竹は切った長さより狭い間隔で生えている竹に、垂直になるように重ねていきます。
ちょうどよい幅の置き場がなければ、1m程度に切った竹の切り口を鋭角にして地面に打ち込みます。
さっそく実践!
上らへん、下らへん、レクチャーした場所と3チームに分かれて作業開始。
今回は参加者12人+スタッフ2名+講師1名+敷地の家人3名。
人数が多かったので、1チームに4〜5人で作業を行いました。
やってみた結論、1チーム3名くらいがスムーズで安全。
多いときは声を掛け合い意思疎通をかかしません。
折れている枝などを拾い作業場を確保。
倒れた竹→密集している細い竹→白くて古い竹の順で切っていきます。
目標は傘をさしたまま竹林を歩けるようにすること!
慣れた移住者が初めての方に教えたりしながらも、黙々と作業。
13:30~16:30の間で途中休憩したのは10分だけで、ひたすら作業。
完全に職人の顔になっていました(笑)
終盤にはハードワークを共に過ごしたからか、
10分の休憩中、スタッフも間に入れないほど参加者のみなさんで会話がはずんでいました!
昔は竹水で割ったお酒を目当てに竹林整備していた、
切ったらたまたま美味しい竹水が出た、
竹でぐい呑を作ったなど思い出話も。
今回女性はスタッフ等含め4名参加しました。
実際やってみて女性だけでも全然できる作業だなと思いました!
作業を終え着替えを済ますと、やりきった〜おつかれさん〜という達成感の表情!
温かいコーヒーをご用意いただきホッと一息付きながら、マリオさんの山や竹の話をお聞きました。
他人事にできない竹林の現状
参加者には自宅の竹林をなんとかせねばという人もいれば、地域内の竹林をなんとかしたいという方も。
放置された竹林はやはりそこかしこに存在するのが実際のところ。
今回遠くから参加してくださった方も同じ課題を抱えていました。
竹も木と同様に、昔は農業資材や村の行事で頻繁に使われるので
農家自身が所有してする方が都合がよかったが、
産業が発達する中で金属にとって代わり利用されることがなくなり
放置されるようになってきたという背景があります。
他にも人口減少、高齢化などで人手不足、やる人がいてもやり方がわからないなど理由も重なり。
放置しているとタケノコが生えないのでイノシシや鹿などの動物が畑を荒らしてしまったり、
陽の光や栄養を求め竹林がどんどん増殖し範囲を広めていき田畑に日光が当たりにくくなってしまったり。
そんな中、逆に竹の良さが見直され細かく砕いたパウダーが土壌改良材になったり、
国産メンマを普及させようという動きも出てきています。
全国どこも同じように問題を抱え、解決の糸口を探っています。
丹波市でも竹林整備マスターが誕生したら次のステップは活用方法?
せっかく労力をかけて伐採するのですから、有効活用したり有益な形に変えたいですよね。
また春にみんなでタケノコを収穫し天ぷらにして食べよう!という今回の企画。
タケノコやメンマ、竹細工など整備のあとのお楽しみを考えると作業もはかどります。
継続した竹林整備にも繋がるかも。
今回は竹林整備が思わぬ形で移住者と地元出身者、移住者と市外の方の交流を生んでくれました!
丹波市への移住者以外にも多様な参加者が集まりました!
丹波市内だけでなくお隣の丹波篠山市からや養父市、岡山県美作市と遠方から、
20代の女性から70代の男性まで幅広い方に参加いただきました。
実は丹波市も移住先の候補だったとか、阪口さんにチェーンソー講習でお世話になった方とか、
参加者と参加者が実は前職の同僚でしたとか。ほとんどが何らかの繋がりがあってのご参加でした。
今回たんば“移充”テラスを通じて丹波市へ移住された方が、
自治会の地元の方と一緒に参加してくださり、相談員も感無量!
「たんば“移充”計画」は丹波市内の移住者へ向け、
移住後の生活を充実させることを目的にしたイベントですが、
丹波市外や地元出身者の方との繋がりもまた移住者にとっては生活が充実する種になると思っています。
ぜひ移住者以外の方もご興味あればご参加いただき、
移住者の方も地元の方をお誘いしてご一緒にご参加くださいね。
無事に12名の竹林整備マスター誕生!
というわけで、12名の竹林整備マスターが市内外に誕生しました。
すでに春のタケノコまでにもう一度同じ竹林の整備の続きをしようという話があがり、
近々また集まることになりそうです!
どう整備すればいいかはもう皆さんご存じですから、うちの竹林も整備したい!
うちの集落の放置された竹林なんとかしたい!という方は
是非、今回参加された方々に話を伺ってみてください◎
イベントレポート
興味の湧くイベントが見つかったら、チェックしていこう。